中華人民共和国 防砂治砂[1]

中華人民共和国主席令第55号

公布機関:全国人民代表大会常務委員会

公布期日:2001年8月31日

施行期日:2002年1月1日

改正期日:

文書番号:中華人民共和国主席令第55号

時効性:有効

(2001年8月31日第9期全国人民代表大会常務委員会第23回会議採択)

目次

第一章 総則(第一条~第九条)

第二章 防砂治砂計画(第一〇条~第一三条)

第三章 土地砂漠化の予防(第一四条~第二二条)

第四章 砂漠化した土地の整備(第二三条~第三一条)

第五章 保障措置(第三二条~第三七条)

第六章 法律責任(第三八条~第四五条)

第七章 附則(第四六条~第四七条)

第一章 総則

第一条 土地の砂漠化を予防し、砂漠化した土地を管理し、生態の安全を維持し、経済と社会の持続可能な発展を促進するため、本法を制定する。

第二条 中華人民共和国領域において、土地の砂漠化の防止、砂漠化した土地の整備と利用・開発活動に従事する場合は、本法を適用する。

土地の砂漠化とは、気候の変化と人類の活動により天然の砂漠が拡大し、砂質土壌における植生が破壊され、砂質土壌が露出する過程を指す。

本法にいう土地の砂漠化とは、主に人類の不合理な活動に伴う天然の砂漠の拡大、砂質土壌における植生および被覆物の破壊によって、流砂が形成され、砂質土壌が露出する過程を指す。

本法にいう砂漠化した土地とは、既に砂漠化した土地と顕著な砂漠化傾向が見られる土地をいう。具体的な範囲は、国務院が承認する全国防砂治砂計画による。

第三条 防砂治砂活動の実施に当たっては、以下の原則に従わなければならない。

(一)統一した計画を打ち立て、現地の事情に適した措置を取り、段階的に実施し、地域的防止と重点的防止との結合を堅持する。

(二)予防を主とし、防止と整備を結び付け、総合的な整備を行う。

(三)植生の保護・回復を自然資源の合理的な利用に結び付ける。

(四)生態法則に従い、科学技術の進歩に依拠する。

(五)生態環境の改善と、農牧民の貧困脱却・富裕化を結び付ける。

(六)国の支援と地方の自主努力を結合し、政府による組織作りと社会各界による参加を結び付け、組織、個人の請負による防止と整備を奨励する。

(七)防砂治砂従事者の合法的権益を保障する。

第四条 国務院と砂漠化した土地所在地の県級以上の地方人民政府は、防砂治砂を国民経済・社会発展計画に取り入れ、防砂治砂活動の展開を保障、支持しなければならない。

砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府は、有効な措置を講じ、土地の砂漠化を予防し、砂漠化した土地を整備し、当該行政区域の生態質を保護、改善しなければならない。

国家は砂漠化した土地所在地において、防砂治砂における政府の行政指導者を対象とする任期目標考査・賞罰制度を確立する。砂漠化した土地所在地の県級以上の地方人民政府は、同級の人民代表大会およびその常務委員会に防砂治砂の活動状況を報告しなければならない。

第五条 国務院の指導のもと、国務院林業行政主管部門は全国の防砂治砂活動に対する組織作り、調整、指導の責を負う。

国務院の林業、農業、水利、土地、環境保護等の行政主管部門、気象主管機関は、関係法律が規定する職責と国務院が定める職責に応じた業務分担を行い、各自の責任を負い、密に協力し、防砂治砂の業務を共同で完成する。

県級以上の地方人民政府はその傘下の関係部門を組織、指導し、職責に応じた業務分担を行い、各自の責任を負い、密に協力し、当該行政区域の防砂治砂の業務を共同で完成する。

第六条 土地を使用する組織と個人は、当該土地の砂漠化を防止する義務を有する。

既に砂漠化した土地を使用する組織と個人は、当該土地を整備する義務を有する。

第七条 国家は防砂治砂の科学研究と技術普及活動を支持し、科学研究部門および機構の防砂治砂活動における機能を発揮し、防砂治砂の専門技術者を養成し、防砂治砂の科学技術レベルを向上させる。

国家は防砂治砂における国際協力の展開を支持する。

第八条 防砂治砂の活動において顕著な成績を上げた組織と個人に対して、人民政府は表彰と奨励を与える。生態質の保護と改善のために突出した貢献を為した者を厚く表彰するものとする。

第九条 砂漠化した土地所在地の各級人民政府は関係部門を組織し、防砂治砂の知識に関する啓発・広報を行い、公民の防砂治砂の意識を増強するとともに、その防砂治砂の能力を向上させねばならない。

第二章 防砂治砂計画

第一〇条 防砂治砂に当たっては、統一した計画を実行する。防砂治砂に従事する場合や、砂漠化した土地の範囲内で開発利用を行う場合は、防砂治砂計画に従わなければならない。

防砂治砂計画では、土地の砂漠化の拡大傾向を抑制し、砂漠化した土地を徐々に減少するための期限、段取り、措置等に対する明確な規定を行わなければならない。また、具体的な実施案は国民経済・社会発展の5ヵ年計画および年次計画に取り入れる。

第一一条 国務院の林業行政主管部門は国務院の農業、水利、土地、環境保護等の関係部門とともに、全国防砂治砂計画を制定し、国務院に報告するものとし、その認可を得た後に実行に移す。

省・自治区・直轄市の人民政府は全国防砂治砂計画に基づき、当該行政区域の防砂治砂計画を制定し、国務院又は国務院の指定する関係部門に報告するものとし、その認可を受けた後に実行に移す。

砂漠化した土地所在地の市・県人民政府は、上級の人民政府の防砂治砂計画に基づき、当該行政区域の防砂治砂計画を制定し、上級の人民政府に報告するものとし、その認可を受けた後に実行に移す。

防砂治砂計画の修正は、元認可機関の認可を経なければならない。認可を受けていない場合は、如何なる組織と個人が防砂治砂計画を変更してはならない。

第一二条 防砂治砂計画の制定に当たっては、砂漠化した土地が置かれている地理的位置、土地の類型、植生の状況、気候と水資源の状況、土地の砂漠化の程度等の自然条件およびそれがもたらす生態効果、経済効果に基づき、砂漠化した土地に対し、類型別の保護、綜合的な整備、合理的な利用を行わなければならない。

計画期間内に整備条件が具備してない砂漠化した土地および生態保護の必要により開発利用に適していない広域な砂漠化した土地は、砂漠化した土地の閉鎖保護区とし、閉鎖保護を実行しなければならない。砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲は、全国防砂治砂計画および省・自治区・直轄市の防砂治砂計画による。

第一三条 防砂治砂計画は土地利用の全体計画とリンクしなければならない。防砂治砂計画によって確定される砂漠化した土地の用途は、同級の人民政府の定める土地利用全体計画に符合しなければならない。

第三章 土地砂漠化の予防

第一四条 国務院の林業行政主管部門はその他の関係行政主管部門を組織し、全国の砂漠化した土地の状況に対し観測、統計、分析を行い、並びに観測結果を定期的に公表する。

県級以上の地方人民政府の林業又はその他の関係行政主管部門は、土地の砂漠化観測技術規程に基づき、砂漠化した土地に対し観測を行い、並びにその観測結果を同級の人民政府および上級の林業又はその他の関係行政主管部門に報告しなければならない。

第一五条 県級以上の地方人民政府の林業又はその他の関係行政主管部門は、砂漠化した土地を観測する過程で、土地に砂漠化が発生する、又は砂漠化が進行することを発見した場合、速やかに同級の人民政府に報告しなければならない。報告を受けた人民政府は、関係行政主管部門が土地の砂漠化を引き起こした行為を制止し、並びに有効な措置を講じ整備するように指令しなければならない。

各級気象主管機関は乾燥気候と黄砂(砂嵐)の天気に対する観測、予報を行うための組織作りを行い、乾燥気候又は黄砂の兆候を発見した場合、当該地域の人民政府に速やかに報告しなければならない。報告を受けた人民政府は予防措置を取り、必要に応じて災害予報を公表するとともに、林業、農(畜産)業等の関係部門が応急措置を講ずるように組織作りを行い、風害や黄砂による危害を回避、又は軽減しなければならない。

第一六条 砂漠化した土地所在地の県級以上の地方人民政府は防砂治砂計画に基づき、一定の割合の土地を区画し、現地の事情に適した防風・固砂林[2]ネット、森林地帯の造成を行い、多年生灌木と草本植物を植えなければならない。林業行政主管部門は植樹・植林の活着率、定着率の基準および具体的任務の確定における責任を負い、地域ごとに実施の体制作りを行い、責任所在の明確化を図り、任務達成を確保する。

保育や更新目的の伐採を除き、防風・固砂林ネット、森林地帯に対する伐採を認可してはならない。防風・固砂林ネット、森林地帯に対する保育や更新目的の伐採を行う前、その付近に代替林ネットおよび森林地帯を予め形成しなければならない。

林木の更新が困難な地域における既存の防風・固砂林ネット、森林地帯に対し、その伐採を認可してはならない。

第一七条 砂漠化した土地において、灌木、薬草およびその他の固砂植物を伐採、掘り出すことを禁止する。

砂漠化した土地所在地の県級人民政府は植生管理・保護制度を確立し、植生を厳重に保護しなければならず、並びに必要に応じて郷(鎮)、村に植生管理・保護組織を設置し、管理保護人員を確定する。

砂漠化した土地の範囲内において、各種の土地請負契約には植生保護責任の内容が含まなければならない。

第一八条 草原地域の各級地方人民政府は、草原の管理と建設を強化しなければならず、農(畜産)業行政主管部門は農牧民が人工牧草地の建設を建設するように指導、組織作りを行うとともに、放牧許容量のコントロール、家畜構造の調整、家畜品種の改良を図り、家畜の囲い飼いと牧草地のローテーション放牧を推し進め、草原のネズミによる危害、虫害の退治、草原植生の保護、草原の退化と砂漠化の防止を図る。

草原では、採草量により放牧許容量を確定する制度を実行する。農(畜産)業行政主管部門は放牧許容量の標準および関係規定を制定する責任を負い、並びにレベル別に実施の組織作りを行い、責任所在の明確化を図り、達成を確保する。

第一九条 砂漠化した土地所在地の県級の地方人民政府の水行政主管部門は、流域と地域の水資源の統一的な配分と管理を強化しなければならない。流域・地域水資源の開発利用計画および給水計画を制定するに当たって、流域と地域全体の植生の保護における用水需要を考慮し、地下水および上流の水資源の過度な開発利用による植生の破壊と土地の砂漠化を防止しなければならない。当該計画は認可を得た後に、厳格に実行に移さなければならない。

砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府は節水を行い、節水型農業・畜産業とその他の産業を発展させなければならない。

第二〇条 砂漠化した土地所在地の県級以上の地方人民政府は、砂漠周辺地帯と造林地、草原における耕地の開墾を認可してはならない。既に開墾し、並びに生態に負の影響を及ぼしている場合は、退耕還林・還草[3]の実施のための組織作りを計画的に行わなければならない。

第二一条 砂漠化した土地の範囲内において、開発・建設活動に従事する場合は、当該プロジェクトが当該地域および関係地域の生態に与え得る影響に対し、環境影響評価を行い、法により環境影響報告を提出しなければならない。環境影響報告には防砂治砂に関する内容が含まなければならない。

第二二条 砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内では、植生を破壊する活動をすべて禁止する。

砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内において、移民を安置することを禁止する。砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内の農牧民に対し、県級以上の地方人民政府は移住を計画的に組織し、並びに適切に安置しなければならない。砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内から転出していない農牧民の生産・生活は、砂漠化した土地の閉鎖保護区の主管部門が適切に手配する。

国務院又は国務院が指定する部門の同意を得ずに、砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内において、鉄道、道路等の建設活動を行ってはならない。

第四章 砂漠化した土地の管理

第二三条 砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府は、防砂治砂計画に基づき、関係部門、組織、個人を組織し、人工造林・植草、空中播種による造林・植草、封砂育林・育草[4]、生態用水の適切な配分など、現地の事情に適した措置を講ずることで、植生の回復・増加を図り、既に砂漠化した土地を整備する。

第二四条 国家は、組織および個人が自由意志という前提のもと、金銭の寄与やその他の形式で公益的砂漠化対策を実施することを奨励する。

県級以上の地方人民政府の林業その他の関係行政主管部門は、公益的砂漠化対策のために整備地点および無償技術指導を提供しなければならない。

公益的砂漠化対策に従事する組織および個人は、県級以上の地方人民政府の林業その他の関係行政主管部門の技術要求に基づき整備を行わなければならず、並びに造成した樹林、草地の管理・保護を他人に委託する、又は当該地域の人民政府の関係行政主管部門に引き渡すことができる。

第二五条 すでに砂漠化した国有地の使用権の所有者および農民集団所有土地の請負経営権の所有者は、整備措置を講じ、土地の質を改善しなければならない。整備任務を完成する能力を確実に具備しない場合は、他人に整備を委託し、又は他人と提携して整備を行うことができる。委託又は提携整備の場合は、契約を締結し、各関係者の権利と義務を明確にしなければならない。

砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府およびその関係行政主管部門、技術普及機関は、土地使用権の所有者および請負経営権の所有者による砂漠化対策に技術指導を提供しなければならない。

退耕還林・還草、植樹・植草、又は閉鎖による造成措置を講じて砂漠化対策を図る土地使用権の所有者および請負経営権の所有者は、国家の関係規定に基づき、人民政府が提供する優遇政策を享有する。

第二六条 土地所有権又は使用権を有しない組織と個人が営利目的で砂漠整備活動を行う場合は、土地所有権の保有者又は使用権の所有者と契約を締結し、法により土地使用権を取得しなければならない。

整備活動を開始する前、営利目的で砂漠整備活動を行う組織および個人は、整備プロジェクト所在地の県級以上の地方人民政府林業行政主管部門又は県級以上の地方人民政府の指定するその他の行政主管部門に整備申請を提出し、並びに以下に掲げる書類を提出しなければならない。

(一)整備される土地の権利所属に関する合法的な証明書類と整備契約

(二)防砂治砂計画に符合する整備案

(三)整備に必要な資金に関する証明

第二七条 本法第二六条第二項(二)にいう整備案には、以下の内容が含まれなければならない。

(一)整備範囲の境界。

(二)段階別の整備目標と整備期限。

(三)主な整備措置。

(四)当該地域の水行政主管部門の同意を得た用水源と用水量の指標。

(五)整備後の土地用途と植生管理・保護措置。

(六)その他の明記が必要な事項。

第二八条 営利目的の砂漠化対策に従事する組織と個人は、整備案に基づき整備を行わなければならない。

国家は砂漠化した土地を整備する者の合法的権益を保護する。整備者の合法的土地権利を持つ整備の範囲内において、整備者の同意を得ずに、その他の如何なる組織と個人は整備又はその他の開発利用活動に行ってはならない。

第二九条 管理者は整備任務の完了後、県級以上の地方人民政府の整備申請を受理した行政主管部門に検収申請を提出しなければならない。検収に合格した者に対し、整備申請を受理した行政主管部門は整備合格証明書類を発給しなければならない。検収に合格しない場合は、整備者が引き続き整備を行わなければならない。

第三〇条 既に砂漠化した土地の範囲内における鉄道、道路、河川、用水路の両側、町、村、鉱山工場、ダムの周辺では、組織による整備責任制を実行し、県級以上の地方人民政府が整備責任書を下達し、責任機関が造林や植草の実施又はその他の整備措置の採用を行う責任を負う。

第三一条 砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府は、当該地域の農村集団経済組織およびそのメンバーが自由意志という前提のもと、すでに砂漠化した土地に対する集中整備を行うように組織作りを実施することができる。農村集団経済組織およびそのメンバーが投入した資金と労働力は、整備プロジェクトの株式、資本金に換算することができ、その他の形式を採用し補償を与えることもできる。

第五章 保障措置

第三二条 国務院と砂漠化した土地所在地の各級地方人民政府は同級の財政予算において、防砂治砂計画に基づきプロジェクト予算を通じ資金手当てを行い、同級の人民政府の確定する防砂治砂事業に充てなければならない。貧困扶助、農業、水利、道路、鉱物資源、エネルギー、農業の総合開発等のプロジェクトを手配する際に、具体的な状況に基づき防砂治砂のサブプロジェクトを若干設立しなければならない。

第三十三条 国務院と省・自治区・直轄市人民政府は優遇政策を制定し、組織と個人による防砂治砂を奨励、支持しなければならない。

県級以上の地方人民政府は国家の関連規定に基づき、防砂治砂の面積と難易度に応じて、防砂治砂活動に従事する組織と個人に資金補助、財政による利息補給、税額減免等の優遇策を適用しなければならない。

組織と個人が防砂治砂に投資する場合は、投資の段階で各種の課税を免除する。一定の収益を得た後、関係税収を免除又は減額することができる。

第三四条 すでに砂漠化した国有地を使用し砂漠化対策活動を行う場合は、県級以上の人民政府の法に従う認可を経て、70年を超えない土地使用権を所有することができる。具体的な年限と管理方法は、国務院の規定による。

すでに砂漠化した集団所有の土地を使用し砂漠化対策活動を行う場合は、当該活動を行う者は土地の所有者と土地請負契約を締結しなければならない。具体的な請負期限および当事者のその他の権利、義務は請負契約により双方が法により土地請負契約に規定する。県級の人民政府は法により土地請負契約に基づき、砂漠化対策活動を行う者に土地使用権証書を発給し、集団所有の砂漠化した土地の砂漠化対策活動を行う者の土地使用権を保護する。

第三五条 生態保護の特殊な要求に応じて、砂漠化対策が講じられた後の土地を自然保護区又は砂漠化した土地の閉鎖保護区と認可する場合は、認可機関は対策活動を行う者に適切な経済補償を与えなければならない。

第三六条 国家は防砂治砂の需要に基づき、防砂治砂の重点科学研究プロジェクトおよび普及モデルプロジェクトを建設し、並びに防砂治砂、砂漠地区のエネルギー、砂漠の経済作物、節水灌漑、草原の退化の防止、砂漠地域の乾燥地農業等に関する科学研究および技術普及に対し、資金補助、税額減免等の優遇策を適用する。

第三七条 如何なる組織と個人は防砂治砂の資金を差し引き留保や流用をしてはならない。

県級以上の人民政府監査機関は、法により防砂治砂資金の使用状況に対し監査・監督を実施しなければならない。

第六章 法律責任

第三八条 本法第二三条第一項の規定に違反し、砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内で植生を破壊する活動に行った場合は、県級以上の地方人民政府の林業、農(畜産)業行政主管部門が各自の職責に基づき、違法行為を停止させる責任を負う。不法所得のある場合は、その不法所得を没収する。犯罪を構成した場合は、法により刑事責任を追及する。

第三九条 本法第二五条第一項の規定に違反し、国有地使用権の所有者と農民集団所有土地の請負経営権の所有者が防砂治砂措置を採用せず、土地の深刻な砂漠化をもたらした場合は、県級以上の地方人民政府の農(畜産)業、林業行政主管部門が各自の職責に基づき、期限を定めて整備させる責任を負う。国有地の深刻な砂漠化をもたらした場合は、県級以上の人民政府は国有地の使用権を回収することができる。

第四〇条 本法の規定に違反し、営利目的の砂漠整備活動を行い、土地の砂漠化を深刻化させた場合は、県級以上の地方人民政府は、営利目的の砂漠整備申請を受理した行政主管部門が違法行為を停止させるように指令し、1ha当たり5,000元以上5万元以下の罰金を同時に科することができる。

第四一条 本法第二八条第一項の規定に違反し、整備案に基づき整備を行わない場合、又は本法第二九条の規定に違反し、検収に合格せず、要求通りに引き続き整備を行わない場合は、県級以上の地方人民政府は営利目的の砂漠整備申請を受理した行政主管部門が違法行為を停止させ、期限を定めて是正するように指定し、整備費用の1倍から3倍以下の罰金を科することができる。

第四二条 本法第二八条第二項の規定に違反し、砂漠整備活動を行う者の同意を得ず、無断に他人の整備範囲内で砂漠化対策活動を行う、又は開発利用活動を行った場合は、県級以上の地方人民政府は営利目的の砂漠整備申請を受理した行政主管部門が違法行為を停止さるように指令する。整備者に損失をもたらした場合、損失の賠償をしなければならない。

第四三条 本法の規定に違反し、以下に掲げる状況の一つがあった場合は、直接責任を負う担当者とその他の直接責任者に対し、所属機関、監査機関又は上級の行政主管部門が法により行政処分を与える。

(一)本法第一五条第一項の規定に違反し、土地に砂漠化が発生する、又は砂漠化が進行することを発見しても速やかに報告を行わない場合、又は報告を受けた後に、関係行政主管部門が措置を取るように指令しない場合。

(二)本法第一六条第二項、第三項の規定に違反し、防風固砂林ネット、森林地帯の伐採を認可した場合。

(三)本法第二〇条の規定に違反し、砂漠周辺地域、造林地、草原において耕地を開墾することを認可した場合。

(四)本法第二二条第二項の規定に違反し、砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内に移民の安置を行った場合。

(五)本法第二二条第三項の規定に違反し、認可を経ずに砂漠化した土地の閉鎖保護区範囲内で鉄道、道路等の建設活動を行った場合。

第四四条 本法第三七条第一項の規定に違反し、防砂治砂の資金を差し引き留保や流用をした場合は、直接に責任を負う主管担当者とその他の直接責任者に対し、監察機関又は上級行政主管部門が法により行政処分を与える。犯罪を構成した場合は、法により刑事責任を追及する。

第四五条 防砂治砂監督管理者が職権を乱用し、職責を軽んじ、情実にとらわれて不正行為をし、犯罪を構成した場合、法により刑事責任を追及する。

第七章 附則

第四六条 本法第五条第二項にいう関係法律とは、《中華人民共和国森林法』、《中華人民共和国草原法》、《中華人民共和国水土保持法》、《中華人民共和国土地管理法》、《中華人民共和国環境保護法》、《中華人民共和国気象法』を指す。

第四七条 この法律は2002年1月1日より施行する。

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[1] 中国語は「防沙治沙」。砂漠化防止と砂による被害抑制のための整備・対処を指す。以下、訳文では「防砂治砂」とする。――訳注

[2] 流動砂丘を固定するために造成した林。以下訳文では「固砂林」とする。――訳注

[3] 傾斜地における耕地を森林又は草原に戻す事業。以下、訳文では退耕還林・還草とする。――訳注

[4] 防砂措置を施した上で、樹林・草地の造成を図ること。以下、訳文では「封砂育林・育草」とする。――訳注