中華人民共和国 クリーン生産促進法

2002年6月29日第九回全国人民大会常務委員会第二十八次会議で可決)

中華人民共和国主席令第72号

「中華人民共和国クリーン生産促進法」は中華人民共和国第九回全国人民代表大会常務委員会第二十八次会議にて2002年6月29日に可決された。ここに公布し、2003年1月1日より施行する。

中華人民共和国主席  江沢民

2002年6月29日

目次

第一章 総則

第二章 クリーン生産の推進

第三章 クリーン生産の実施

第四章 奨励措置

第五章 法律責任

第六章 附則

第一章 総則

第一条 クリーン生産を促進し、資源の利用効率を高め、汚染物の発生を抑制し、環境の保護及び改善を図り、人体健康を守り、経済と社会の持続可能な発展を促進するために、本法を制定する。

第二条 本法で言うクリーン生産とは、継続的に設計を改善し、クリーン・エネルギーや原料を利用し、優れた技術と設備、管理改善、総合利用などの措置を取り、源から汚染を削減し、資源の利用効率を高め、生産・サービス及び消費段階での汚染物の発生と排出を削減又は防止し、人体健康及び環境への危害を減少・防止することである。

第三条 中華人民共和国領域内において、生産及びサービス活動を営む事業者及び関連管理活動を行う部門は本法の規定に基づき、クリーン生産を組織、実施する。

第四条 国はクリーン生産を奨励、促進する。国務院及び県レベル以上の地方人民政府は、クリーン生産を国民経済と社会発展計画、そして、環境保護、資源利用、産業発展、地域開発などの計画の中に組み入れなくてはならない。

第五条 国務院経済貿易行政主管部門は、全国におけるクリーン生産の促進を組織・調整する責任を負う。国務院環境保護、計画、科学技術、農業、建設、水利及び品質技術監督などの行政主管部門は、各自の職責を果たし、関連のクリーン生産促進業務に責任を持つ。

県レベル以上の地方人民政府は所管行政管轄区域内におけるクリーン生産の促進業務を指導する責任を負う。県レベル以上地方人民政府経済貿易行政主管部門はその行政管轄区域内におけるクリーン生産促進業務を組織・調整する責任を負う。県レベル以上地方人民政府環境保護、計画、科学技術、農業、建設、水利及び品質技術監督などの行政主管部門は、各自の職責を果たし、関連のクリーン生産促進業務に責任を持つ。

第六条 国はクリーン生産に関する科学研究、技術開発や国際協力、広報宣伝、そして、クリーン生産の知識の普及、クリーン生産技術の普及などの活動を奨励する。

国は、クリーン生産の宣伝、教育、普及、実施及び監督活動への民間団体と公衆の参加を奨励する。

第二章 クリーン生産の推進

第七条 国務院はクリーン生産の実施に有利な財政税収政策を制定しなくてはならない。

国務院及び関係する行政主管部門と省、自治区、直轄市人民政府は、クリーン生産の実施に有利な産業政策、技術開発や推進政策を制定しなくてはならない。

第八条 県レベル以上の人民政府経済貿易行政主管部門は、環境保護、計画、科学技術、農業、建設、水利などの関係行政主管部門と共同で、クリーン生産の推進計画を制定しなくてはならない。

第九条 県レベル以上の地方人民政府は、所管行政区域の経済計画の合理化を図り、産業構造を調整し、循環経済を発展させ、企業間での資源や廃棄物の総合利用分野での協力を促進し、資源の高効率利用と循環利用を実現させる。

第十条 国務院及び省、自治区、直轄市人民政府の経済貿易、環境保護、計画、科学技術、農業等の関連行政主管部門は、クリーン生産に関する情報システムと技術コンサルティング・システムの構築を支援しなくてはならない。社会に対し、クリーン生産の方法・技術、再生利用可能な廃棄物の需給状況、クリーン生産の政策などの情報やサービスを提供しなくてはならない。

第十一条 国務院経済貿易行政主管部門は、国務院関連行政主管部門と連携し、定期的にクリーン生産に関する技術、工程、設備及び製品の案内リストを公布する。

国務院及び省、自治区、直轄市人民政府の経済貿易行政主管部門と環境保護、農業、建設等の関連行政主管部門は、関連業界あるいは地域のクリーン生産に関するガイドラインと技術ハンドブックを作成し、クリーン生産の実施を指導する。

第十二条 国は過度な資源利用および深刻な環境汚染をもたらす旧式生産技術、工程、設備と製品に対し、期限付き淘汰制度を導入する。国務院経済貿易行政主管部門は国務院関連行政主管部門と連携し、期限付きで淘汰する生産技術、工程、設備及び製品のリストを制定し、公布する。

第十三条 国務院関連行政主管部門は、必要に応じ、省エネ、節水、リサイクル等環境と資源保護に関する製品ラベルを設立することを批准し、国の規定に基づき相応の基準を制定する。

第十四条 県レベル以上人民政府の科学技術行政主管部門及び他の関係行政主管部門は、クリーン生産技術や環境と資源保護を配慮した製品の研究・開発活動、クリーン生産技術のモデル事業や普及事業を指導・支援しなくてはならない。

第十五条 国務院教育行政主管部門は、クリーン生産技術と管理科目を高等教育、職業教育、技術研修プログラムの中に組み入れなくてはならない。

県レベル以上人民政府関係行政主管部門は、クリーン生産の宣伝・研修活動を組織し、公務員、企業経営管理者、公衆のクリーン生産意識を高め、クリーン生産の管理・技術人材を育成する。

マスコミや民間団体、それぞれの特長を生かし、クリーン生産に関する宣伝活動を展開しなくてはならない。

第十六条 各レベル人民政府は、省エネ、節水、リサイクル等環境に配慮した製品を優先的に購入しなくてはならない。

各レベル人民政府は、宣伝・教育活動を通じ、公衆が省エネ、節水、リサイクルなど環境に配慮した製品を購入・消費することを奨励しなくてはならない。

第十七条 省、自治区、直轄市人民政府環境保護行政主管部門は、クリーン生産に対する監督を強化しなくてはならない。クリーン生産を促進する要求に応じて、企業の汚染物質の排出状況に基づき、所在地域の主要メディアを通じ、定期的に基準超過汚染物の排出や総量規制を超過した企業のリストを公表し、企業に対する公衆からの監督に根拠を提供することができる。

第三章 クリーン生産の実施

第十八条 新規建設、改築や拡大等にあたっては、環境影響評価を実施しなければならない。原材料の使用、資源の消耗、資源の総合利用および汚染物の発生と処理等に関しては、分析や評価を行い、資源利用効率の高い又は汚染物発生量が少ないクリーンな生産技術、工程、設備を優先的に利用する。

第十九条 企業は技術革新にあたり、以下のようなクリーン生産措置を講じなければならない。

(一)毒性の強い、危害が大きな原料の代替として、無毒、無公害又は低毒、低公害の原料を利用すること。

(二)資源の利用効率の低い、汚染物発生量が高い技術や設備の代替として、資源の利用効率が高く、汚染物質の発生量の少ない技術、設備を利用すること。

(三)生産過程で発生した廃棄物、廃水、及び廃熱等を総合利用あるいは循環利用すること。

(四)国や地方の汚染排出基準と排出総量規制基準を達成できる汚染防治技術を採用すること。

第二十条 製品及びその包装の設計には、ライフサイクルの観点から人体の健康及び環境に影響を及ぼさないことを考慮しなくてはいけない。無毒、無公害、分解しやすい、リサイクルしやすい設計を優先的に採用すること。

企業は製品の包装を合理化し、包装材の過度使用と包装材廃棄物の発生を削減しなくてはならない。

第二十一条 大型電機設備、運輸機械および国務院経済貿易行政主管部門指定のその他の製品を製造する企業は、国務院標準化行政主管部門又はその授権機構が制定した技術規格に照らし、製品の本体部に、その材料成分の標準番号を明記しなければならない。

第二十二条 農業生産者は科学的に化学肥料、農薬、農業用ビニールおよび飼料添加物を使用し、栽培と養殖技術を改善し、農産品の優良化、無害化および農業廃棄物の資源化を実現し、農業環境汚染を防止しなくてはならない。

有毒、有害廃棄物を肥料又は田畑作りに用いることを禁止する。

第二十三条 飲食、娯楽、ホテルなどのサービス業は、省エネ、節水及びその他の環境保全技術と設備を利用し、資源浪費型、環境汚染型消費財の使用を減らす又はやめなくてはならない。

第二十四条 建築事業は、省エネ・節水など環境と資源保護を配慮した設計、建築と装飾の原料、建築部品と設備を取り入れなくてはならない。

建築と装飾の原料は国の基準に合致しなければならない。有毒・有害物質の含有量は国の基準を超えた建築と装飾の原料を生産、販売、使用することを禁止する。

第二十五条 鉱産資源の探査・採掘にあたり、資源の有効利用、環境保全と汚染防止に有利な探査・採掘方法と技術を採用し、資源の有効利用を促進しなくてはならない。

第二十六条 企業は経済技術面での可能な条件の下で、生産とサービスのプロセスから生じた廃棄物、余熱などを自主的に回収利用し、或は条件にあう企業や個人に譲渡し、再利用しなくてはならない。

第二十七条 強制回収リストに載せた製品と包装材を生産・販売する企業は、製品の廃棄や包装材使用後にそれを回収しなければならない。強制回収の製品と包装材のリストおよび具体的な回収方法は、国務院経済貿易行政主管部門が制定する。

国は、強制回収リストに載せた製品と包装材に対し、回収利用を促進する経済措置を講じる。県レベル以上地方人民政府の経済貿易行政主管部門は定期的に強制回収する製品と包装材の実施状況を検査し、直ちに検査結果を社会に公表しなければならない。具体的な実施方法は国務院経済貿易行政主管部門が制定する。

第二十八条 企業は生産とサービスのプロセスにおいて、資源の消費及び廃棄物の排出状況についてモニタリングを行い、必要に応じて生産とサービスに対し、クリーン生産審査を実施しなくてはならない。

国と地方が規定する排出基準或は地方人民政府が規定した汚染物排出総量基準を超過し、汚染物を排出する企業はクリーン生産審査を実施しなくてはならない。

有毒・有害の原材料を使用し生産を行う企業、或は生産過程の中で有毒・有害物質を排出する企業は、定期的にクリーン生産審査を実施しなくてはならない。また、審査結果を所在地の県レベル以上地方人民政府環境保護行政主管部門と経済貿易行政主管部門に報告しなければならない。

クリーン生産の審査方法は、国務院経済貿易行政主管部門と国務院環境保護行政主管部門が共同で制定する。

第二十九条 企業は国と地方の汚染物排出基準を達成したうえで、自主的に管轄権のある経済貿易行政主管部門と環境保護行政主管部門との間で資源節約・汚染物排出量削減などに関する上乗せ協定を結ぶことができる。経済貿易行政主管部門と環境保護行政主管部門は当該企業の名称とその資源節約・汚染防止の成果を所在地域の主要メディアを通じて公表しなくてはならない。

第三十条 企業は自主原則で、国の環境管理システム認証の規定に照らして、国の認証認可監督管理部門から授権された認証機関に申請し、環境管理システム認証を取得し、クリーン生産のレベルを高める。

第三十一条 本法第十七条の規定に基づき、汚染の深刻な企業リストに載せられた企業は、国務院環境保護行政主管部門の規定に従い、主要汚染物の排出状況を公表し、公衆の監督を受けねばならない。

第四章 奨励措置

第三十二条 国はクリーン生産の表彰・奨励制度を作り、クリーン生産実施において顕著な成績を収めた事業者と個人に対し、人民政府から表彰・奨励する。

第三十三条 クリーン生産研究、モデル事業と研修に従事し、国のクリーン生産重点技術革新プロジェクト及び本法第二十九条に規定された自主的汚染物排出削減協定の中に記載した技術革新プロジェクトを、国務院或は県レベル以上の地方人民政府と同級の財政部門が設置した技術進歩特別資金の支援枠内に組み入れる。

第三十四条 国の規定で設立した中小企業発展基金の中で、必要に応じて適当な量の資金を中小企業のクリーン生産促進に投入しなければならない。

第三十五条 廃棄物を利用し製品を生産し、或は廃棄物の中から資源を回収するものに対し、国の関係規定に従い、税務機関はその増殖税を減額又は免除する。

第三十六条 企業はクリーン生産審査と研修を実施する費用は、企業の経営コストとして計上できる。

第五章 法律責任

第三十七条 本法の第二十一条の規定を違反し、製品の材料成分を標記しない又は正確に標記しない場合、県レベル以上の人民政府品質技術監督行政主管部門より期限付き改善命令を下す。改善しない場合、5万元以下の罰金を課すことができる。

第三十八条 本法第二十四条第二款の規定を違反し、有毒・有害物質含有量の国家基準を超過した建築と装飾の原料を生産・販売する者に対し、製品品質法と関係民事・刑事法律の規定に基づき、行政・民事・刑事責任を追究する。

第三十九条 本法第二十七条第一款の規定を違反し、製品又は包装材の回収義務を履行しない者に対し、県レベル以上地方人民政府経済貿易行政主管部門より期限付き改善命令を下す。改善しない場合、10万元以下の罰金を課す。

第四十条 本法第二十八条第三款の規定を違反し、クリーン生産審査を実施せず、或は審査を受けたがその結果をありのままに報告しない者に対し、県レベル以上の地方人民政府環境保護行政主管部門は期限付き改善命令を下す。改善しない場合、10万元以下の罰金を課す。

第四十一条 本法第三十一条の規定を違反し、汚染物排出状況を公表しない或は規定の要求に従わないまま公表する場合、県レベル以上地方人民政府の環境保護行政主管部門によって公表される。あわせて10万元以下の罰金を課すことができる。

第六章 附則

第四十二条 本法は2003年1月1日より施行する。