1987年3月20日 国家計画委員会 国務院環境保護委員会 発布
第一章 総則
第一条 『中華人民共和国環境保全法(試行)』および『建設プロジェクト環境保全管理方法』などに基づいて、当規定を策定する。
第二条 環境保全設計は、国の環境保全に関する法律・法規を遵守し、各種の天然資源を合理的に開発・利用し、環境汚染を厳格に制御し、生態系環境を保護・改善すべきである。
第三条 当規定は、中華人民共和国領内の工業・エネルギー・交通・水利・農業・林業・商業・医療保健・文化教育・科学研究・観光・市政・空港など分野の環境に影響を及ぼす新規建設・拡張建設・改造建設などの建設プロジェクトに適用する。それには、区域開発建設プロジェクト、および中外合資・中外合作・外国資本企業の導入プロジェクトなどの建設プロジェクトが含まれる(以下は一括して建設プロジェクトと称する)。
第四条 建設プロジェクトを保有する設計部門と建設部門は、当規定を執行する責任がある。
第二章 各設計段階の環境保全要求
第五条 環境保全設計は、国家規定の設計プロセスに従って環境影響報告書(環境影響報告表)の編成審査制度を執行すると共に、汚染施設および公害防止施設を主体工事と同時に設計、同時に施工、同時に投入という「三同時」制度を執行すべきである。
第六条 建設プロジェクト提案書段階:建設プロジェクト提案書は、建設プロジェクトの性質と規模、および建設地区の環境現状などの関係資料に基づいて、建設プロジェクトが竣工して生産を開始した後にもたらす環境影響の可能性について簡単に説明すべきである。その主な内容は、下記のとおりである。
一、所在地区の環境現状。
二、生産投入後にもたらす環境影響の分析。
三、現地環境保全部門の意見と要求。
四、存在する問題。
第七条 事業化調査報告書(設計任務書)段階:『建設プロジェクト環境保全管理方法』の規定に従って、環境影響報告書あるいは環境影響報告表を編成する必要のある建設プロジェクトは、当該管理方法の付属文書1あるいは付属文書2の要求に基づいて環境影響報告書あるいは環境影響報告表を編成すべきである。事業化調査報告書には、環境保全に関する専門の論述を盛り込むべきである。その主な内容は下記のとおりである。
一、建設地区の環境現状。
二、主要汚染源と主要汚染物。
三、資源開発による生態環境変化の可能性。
四、設計で採用する環境保全基準。
五、汚染制御と生態変化の初歩的方案。
六、環境保全投資の概算。
七、環境影響評価の結論あるいは環境影響評価の分析。
八、存在する問題および提言。
第八条 初歩設計段階:建設プロジェクトの初歩設計には、環境保全篇(章)を盛り込み、環境影響報告書(環境影響報告表)およびその審査認可意見で確定された各種環境保全措置を具体的に実現すべきである。環境保全篇(環境保全章)には、下記内容を含むべきである。
一、環境保全設計の根拠。
二、主要汚染源および主要汚染物の種類・名称・数量・濃度(強度)、および排出方式。
三、採用を計画している環境保全基準。
四、環境保全工程施設、工芸プロセスと予期の効果についての簡単な説明。
五、建設プロジェクトがもたらす生態変化に対する防止措置。
六、緑化計画。
七、環境管理機構およびその定員。
八、環境検査観測機構。
九、環境保全投資の概算。
十、存在する問題および提言。
第九条 施工図設計段階:建設プロジェクト環境保全施設の施工図設計は、認可された初歩設計文書およびその環境保全篇(環境保全章)で確定された各種の措置と要求に従って実施すべきである。
第三章 建設地点の選択と総体配置
第十条 建設プロジェクトの建設地点選択あるいは建設ライン選択は、建設地区の自然環境と社会環境を全面的に考慮すべきである。また、建設地区の地理・地形・地質・水文・気象、および名勝古跡・都市農村計画・土地利用情況・工農業分布、それに自然保護区の現状および発展計画などの要素について十分に調査研究すべきである。さらに、建設地区の大気・水体・土壌など基本的環境要素の背景資料収集を基礎として、総合的に分析論証し、最適化計画設計方案を策定すべきである。
第十一条 有毒有害の廃水・廃ガス・廃滓(廃液)、および悪臭・騒音・放射性元素などの物質や要素を排出する建設プロジェクトの建設地点は、都市計画で確定された住民生活区・文化教育区・水源保護区・名勝古跡区・風景遊覧区・温泉区・療養区・自然保護区などの境界区域に選択することを禁止する。鉄道・道路など建設ラインの選択は、沿線の自然と生態に対する破壊と汚染をできるかぎり軽減すべきである。
第十二条 有毒有害ガスを排出する建設プロジェクトは、住民居住区域の汚染変数がもっとも小さい方位の風上側に配置すべきである。有害廃水を排出する建設プロジェクトは、現地生活飲用水水源の下流に配置すべきである。廃滓廃棄場と住民居住区域および自然水体との間は、規定に適合した距離を保持すべきである。
第十三条 環境保全施設用地は、主体工程用地と同時に選定すべきである。
第十四条 有毒有害のガス・粉塵・煙霧・悪臭・騒音などの物質や要素を排出する建設プロジェクトと住民居住区域との間は、必要な衛生防護距離を保持し、緑化措置を講じるべきである。
第十五条 建設プロジェクトの総体配置は、主体工程の必要を満たした上で、汚染危害がもっとも大きな施設を汚染のない施設と離れた区画に配置すべきである。また、他の施設との位置を合理的に確定し、相互影響と相互汚染をできる限り回避すべきである。
第十六条 新規建設プロジェクトの行政管理施設と生活施設は、住民居住区域と隣接した区画に配置し、建設プロジェクトの非拡張側とすべきである。
第十七条 新規建設プロジェクトの主な煙突(排ガス筒)・有毒有害原料・製品貯蔵施設・運搬ステーションなどは、工場構内の主要風向き方向の風下側に配置すべきである。
第十八条 新規建設プロジェクトは緑化設計を実施すべきである。緑化被覆率は、建設プロジェクトの種類に基づいて確定すべきである。都市内部の建設プロジェクトは、現地緑化計画の要求に従って執行すべきである。
第四章 汚染の防止
第一節 汚染防止の原則
第十九条 工芸設計は、無毒無害あるいは低毒低害の原料を積極的に採用し、汚染を産出しないあるいは汚染産出の少ない新技術・新工芸・新設備を採用し、また資源利用率とエネルギー利用率を最大限度に向上し、生産過程における汚染物の産出を最低限度に減少させるべきである。
第二十条 建設プロジェクトの給熱・給電・給ガスの設計は、条件に基づいて熱電結合・集中給熱・連合給熱などの方式をできるかぎり採用すべきである。
第二十一条 環境保全工程設計は、現地の実際情況に基づいて有効整備と総合利用の技術を採用すべきである。
第二十二条 各種の効果的な措置を講じて、汚染物の無組織排出を回避あるいは規制すべきである。例えば:
一、専用容器あるいは専用施設を設置して、サンプル採取・溢流・事故・補修の際に排出した物料や廃棄物を回収するようにする。
二、設備・管網などは効果的な密封措置を講じて、物料の流失や遺漏を防止することとする。
三、粉末状物料あるいは無包装物料の貯蔵・運搬・分類・輸送などの現場には、粉塵飛揚防止の施設を設置することとする。
第二十三条 廃棄物の輸送装置と排出装置には、計量・サンプル採取・分析などの施設を設置すべきである。
第二十四条 廃棄物の処理あるいは廃棄物の総合利用の過程で、二次汚染物が産出する場合、二次汚染物を防止する措置を講じるべきである。
第二十五条 建設プロジェクトが産出する各種の汚染あるいは汚染要素は、国家あるいは省・自治区・直轄市が発布した排出基準および法律法規に適合させた後、排出が初めて可能となる。
第二十六条 放射性物質および放射性廃棄物を貯蔵・輸送・使用する場合、『放射性防護規定』および『放射性アイソトープ作業衛生防護管理方法』などの要求に適合すべきである。
第二節 排ガス・粉塵汚染の防止
第二十七条 生産過程において有毒有害のガス・粉塵・酸霧・悪臭などの物質が産出する場合、生産工芸および生産設備は密封方式の設計を採用し、オープン方式の設計を回避すべきである。有毒有害物質を排出する場合、吸収・除塵・吸塵などの浄化施設を設置すべきである。
第二十八条 煙霧を排出するボイラー・窯炉・冶金など施設には、除塵・浄化の装置を設置すべきである。
第二十九条 揮発性物質を含有する液体原料・製品・中間産品などの貯蔵施設は、揮発物質遺漏防止の措置を講じるべきである。
第三十条 石炭を開発利用する建設プロジェクトの設計は、『煤煙型汚染防止に関する技術政策』の規定に適合すべきである。
第三十一条 廃ガスに含有させるガス・粉塵、および余剰エネルギーなど回収利用価値が物質に対しては、適切な処理措置を講じるべきである。
第三節 廃水汚染の防止
第三十二条 建設プロジェクトの設計は、節水の原則を堅持し、生産装置が排出した廃水を合理的に回収し、重複利用すべきである
第三十三条 廃水の設計は、浄水と汚水の分流という原則を遵守し、廃水の水質・水量・処理方式など要素に基づいて総合的に比較した上で、廃水輸送系統を合理的に区分すべきである。
第三十四条 工業廃水と生活汚水(病院の汚水を含む)の処理に関する設計は、廃水の水質と水量、および変化の度合、処理後の水質要求、地区の特徴などに基づいて、もっとも適切な処理方式と処理プロセスを確定すべきである。
第三十五条 廃水処理工芸を設計する際、廃水・廃ガス・廃滓(廃液)などの利用を優先的に考慮し、総合整備を実施すべきである。
第三十六条 廃水に含有される各種の物質、例えば重金属およびその化合物、固形物質・揮発性物質・酸類・アルカリ類・油類、および余剰エネルギーなど利用価値がある物質に対しては、回収利用あるいは総合利用を考慮すべきである。
第三十七条 工業廃水と生活汚水(病院の汚水を含む)を都市廃水系統に排出する際、その水質を都市地下水道への排出で規定された水質基準の要求に適合させるべきである。
第三十八条 有毒有害ガスあるいは腐蝕性物質を含有する廃水を輸送する用水路、それに地下管網の検査口などは、浸透防止と腐蝕防止の措置を講じるべきである。
第三十九条 水質の処理は、無毒・低毒の水処理薬剤あるいは汚染の少ない水処理薬剤を選択すべきである。
第四十条 水体に対して熱汚染をもたらす排水は、熱汚染防止の措置を講じるべきである。
第四十一条 原料(燃料)の露天放置場は、雨水による物料流失汚染を防止する措置を講じるべきである。
第四十二条 経常的に有害物質の汚染を受ける装置や作業現場の壁や床の洗浄水、それに汚染された雨水は、相応の廃水管網に排出すべきである。
第四十三条 浸透井・浸透坑・廃坑を利用して、あるいは清浄水による希釈などの手段を使用して、有毒有害廃水を排出することを禁止する。
第四節 廃滓(廃液)汚染の防止
第四十四条 廃滓(廃液)の処理に関する設計は、廃滓・廃液の性質・数量に基づいて、また地区の特徴などと結び付け、総合的に考慮して、その処理方式を確定すべきである。利用価値がある場合は、回収利用あるいは総合利用の措置を講じるべきである。利用価値がない場合は、無害化廃棄あるいは焚焼処理などの措置を講じるべきである。
第四十五条 廃滓(廃液)の臨時放置は、排出量・輸送方式・処理能力などの情況に基づいて、放置場・貯蔵タンクなど緩衝施設を適切に設置すべきであり、任意に放置してはならない。
第四十六条 異なる廃滓(廃液)は、それぞれ単独に貯蔵し、管理と使用の便宜を図るべきである。二種あるいは二種以上の廃滓(廃液)を混合放置する場合、下記の要求に適合させるべきある。
一、有毒有害物質を産出せず、有害科学反応を発生しないこと。
二、放置あるいは総合処理にプラスとなること。
第四十七条 廃滓(廃液)の輸送に関する設計は、環境汚染防止の措置を講じるべきである。
一. 含水量の大きな廃滓と高濃度廃液を輸送する際は、沿線での遺漏を防止する措置を講じること。
二、有毒有害廃滓、飛揚廃滓の運搬と輸送は、密封や増湿などの措置を講じて、汚染事故や中毒事故の発生を防止すること。
第四十八条 生産装置・補助装置・作業現場・汚水処理施設などが排出した各種の廃滓(廃液)は、収集かつ処理すべきであり、如何なる方式にせよ自然水体に排出したり、任意に廃棄したりしてはならない。
第四十九条 可燃性滓(液)の焚焼処理は、下記の要求に適合すべきである。
一、焚焼によって発生する有害ガスを処理する相応の浄化施設を配備すること。
二、焚焼後の残滓を処理する適切な施設を配備すること。
第五十条 可溶性劇毒を含有する廃滓を地下に直接埋蔵したり、地表水体に排出することを禁止する。
第五十一条 一般工業の廃滓・鉱滓などは、廃棄場を設置して廃棄すべきである。ただし、塵埃飛揚・粉塵流失・汚水溢流・自然燃焼など、各種の危害を効果的に防止する措置を講じるべきである。
第五十二条 希有重金属を含有する廃滓は、具体的情況に基づいて回収処理の措置を講じるべきである。
第五十三条 騒音の制御は、騒音源の制御を考慮し、低騒音の工芸と設備を選択すべきである。また、必要があれば相応の制御措置を講じるべきである。
第五十四条 管網の設計では、合理的な配置と適切な構造を採用し、振動と騒音の発生を防止すべきである。
第五十五条 総体配置では、声学要素を総合的に考慮し、合理的に計画し、地形や建築物を利用して騒音の伝播を防止すべきである。また、騒音区域と閑静区域を合理的に分割し、閑静区域に対する高騒音設備の影響を回避あるいは減少すべきである。
第五十六条 建設プロジェクトが騒音を発生して周辺環境に影響を及ぼす場合、都市区域環境騒音基準の規定に適合させるべきである。
第五章 管理機構の設置
第五十七条 新規建設と拡張建設の企業は、環境保全管理機構を設置すべきである。環境保全管理機構の基本任務は、当該企業の環境保全活動の組織・実施・監督を担当することである。
第五十八条 環境保全管理機構の主な職責は下記のとおりである。
一、環境保全法規と環境保全基準を貫徹かつ執行すること。
二、当該部門の環境保全管理規約制度の策定と改訂を組織し、その執行を監督すること。
三、当該部門の環境保全計画の策定と実施を組織すること。
四、当該部門の環境モニタリングを指導かつ組織すること。
五、当該部門の環境保全施設の運行を検査すること。
六、環境保全に関する先進的な技術と経験を普及かつ応用すること。
七、当該部門の環境保全に関する専門技術養成を組織し、職員の資質レベルを向上すること。
八、当該部門の環境保全に関する科学研究と学術交流を組織すること。
第六章 モニタリング機構の設置
第五十九条 環境に影響を及ぼす新規建設・拡張建設のプロジェクトは、建設プロジェクトの規模と性質、およびモニタリング任務・モニタリング範囲に従って、必要なモニタリング機構を設置し、相応のモニタリング手段を確立すべきである。
第六十条 環境モニタリングの任務は下記のとおりである。
一、建設プロジェクトの排出する汚染物が国家、あるいは省・自治区・直轄市の規定した排出基準に適合するか否かを、定期的にモニタリングすること。
二、排出する汚染物の変化法則を分析し、汚染制御措置の策定に根拠を提供すること。
三、汚染事故のモニタリングと報告を担当すること。
第六十一条 モニタリングサンプル採取地点を合理的に配置し、汚染物排出情況と近隣環境品質情況を正確に反映すべきである。
モニタリングの分析方法は、国家の関係規定に従って執行すべきである。
第七章 環境保全施設およびその投資
第六十二条 環境保全施設は、下記の原則に従って確定する。
一、汚染整備と環境保全に必要な装置・設備・モニタリング手段・工程施設などは、すべて環境保全施設に属す。
二、生産に必要で、しかも環境保全に奉仕する施設。
三、廃棄物積載の施設、回収利用および総合利用の施設、廃棄場の建設、土地の徴用費用などは生産投資に列記する。ただし、環境保全のために講じた粉塵飛揚防止や浸透防止などの措置、および緑化施設に必要とする資金は環境保全投資に属す。
四、環境保全施設を必要とする建設プロジェクトは、すべて環境保全施設の投資概算に列記すべきである。
第八章 設計管理
第六十三条 各設計部門は、指導者の一人が環境保全設計活動を主管すべきである。当該指導者は、設計部門が請負った建設プロジェクトの環境保全設計に対して全面的な責任を負担すべきである。
第六十四条 各設計部門は、業務の必要に基づいて環境保全設計機構を設置するか、環境保全設計人員を配備し、建設プロジェクトの各段階における総合的環境保全設計文書の編成を担当させるべきである。
第六十五条 設計部門は、国家の環境保全規定に従って下記の活動を確実に実施すべきである。
一、建設プロジェクトの環境影響評価を担当するか、環境影響評価に参与する。
二、設計任務書を受け取った後、環境影響報告書(表)および認可意見で確定された各種措置に従って初歩設計を進展させ、また環境保全篇(環境保全章)を真剣に編成する。
三、「三同時」制度を厳格に執行し、汚染防止および他の公害防止の施設を主体工程と同時に設計する。
四、環境影響報告書(環境影響報告表)が認可されていない建設プロジェクトの設計を、担当しないこととする。
第六十六条 設計項目を他の部門に委託する際、同時に環境保全要求を提出すべきである。
第六十七条 汚染防止方式が確定されていない建設プロジェクト、あるいは汚染防止方式の工芸基礎数値が不完全な建設プロジェクトを設計することを禁止する。汚染防止措置のない工程設計を他の部門に提供することを禁止する。汚染整備措置があっても、国家あるいは省・自治区・直轄市の汚染排出基準に適合しない生産方式・工芸プロセスの設計を禁止する。
第六十八条 工程設計の必要によって研究開発された環境保全科学研究成果は、技術鑑定を経た上で、工程実践を経て関連データを獲得した後、初めて設計に応用することが可能となる。
第九章 付則
第六十九条 各設計部門を管轄する主管部門は、当規定と現地の実際情況を結び付け、業界規定を策定し、国務院の環境保護委員会弁公室に報告して保存資料とすることができる。
第七十条 当規定は国務院の環境保護委員会弁公室が解釈を担当する。
第七十一条 当規定は発布の日より施行することとする。 |