排汚費徴収・使用管理条例

中華人民共和国国務院令

第369号

 『排汚費[1]収・使用管理条例』は2002年1月30日に開催された国務院第54回常務会議に採択された。ここに公布し、2003年7月1日より施行することとする。

総理 朱鎔基

2003年1月2日

排汚費徴収・使用管理条例

目次

第一章 総則

第二章 汚染物質排出の種類、数の査定

第三章 排汚費の徴収

第四章 排汚費の使用

第五章 罰則

第六章 附則

第一章 総則

第一条 排汚費の徴収、使用に対する管理を強化するために、本条例を制定する。

第二条 環境に直接汚染物質を排出する機関と自営業者(以下、「汚染物質排出者」と略称する)は、本条例の規定により排汚費を納付しなければならない。

「汚染物質排出者」が都市の汚水集中処理施設に汚水を排出し、汚水処理費用を納める場合は、それ以上排汚費を納付することはない。汚染物質排出者が工業固形廃棄物の貯蔵施設もしくは処理施設、場所を建設し、かつ環境保全基準に合致する場合、またはその既存の工業固形廃棄物の貯蔵施設もしくは処理施設、場所が改造を経て環境保全基準に合致する場合、建設または改造が完成した日よりそれ以上排汚費を納付することはない。

国家は都市汚水およびごみ処理の産業化を積極的に推進する。都市汚水とごみ集中処理の料金徴収方法は、別途制定する。

第三条 県級以上の人民政府環境保護行政主管部門、財政部門、価格主管部門は各自の職責に従い、排汚費の徴収、使用に対する指導、管理および監督を強化しなければならない。

第四条 排汚費の徴収、使用は、「収支の2本立て」を厳格に実行しなければならず、徴収した排汚費はすべて財政に上納し、環境保全の法執行に必要な経費は本部門の予算に組み込んで、同級の財政上で予算確保を行う。

第五条 排汚費はすべて用途限定資金とし、環境汚染対策に充てるべきである。いかなる機関および個人も横領、占用、もしくは他用途への流用を行ってはならない。

いかなる機関および個人も、排汚費の横領、占用、もしくは他用途への流用行為に対して検挙、告訴および訴訟を起こす権利を有する。

第二章 汚染物質排出の種類、数の査定

第六条 汚染物質排出者は国務院環境保護行政主管部門の規定に従い、県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門に排出する汚染物質の種類、数を申告し、かつ関連資料を提供しなければならない。

第七条 県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門は、国務院環境保護行政主管部門の規定する査定権限により、汚染物質排出者の排出する汚染物質の種類、数を査定しなければならない。

設備容量が30万kw以上の電力企業が排出する二酸化硫黄の数は、省、自治区、直轄市人民政府環境保護行政主管部門が査定する。

汚染物質排出の種類、数が査定された後、汚染物質排出の査定業務を担当する環境保護行政主管部門は書面にて汚染物質排出者に通知する。

第八条 汚染物質排出者が査定された汚染物質排出の種類、数に異議がある場合は、通知を受領してから7日以内に、通知を出した環境保護行政部門に再査定を申請することができる。環境保護行政主管部門は再査定申請を受領してから10日以内に、再査定の決定をおこなわなければならない。

第九条 汚染物質排出の査定業務を担当する環境保護行政部門が汚染物質排出の種類、数を査定する際に、観測条件を備えている場合は、国務院環境保護行政主管部門の規定する観測方法に従って査定を行う。観測条件を備えていない場合は、国務院環境保護行政主管部門の規定する物質勘定法により査定を行う。

第十条 汚染物質排出者が、国家が規定する強制検定された汚染物質排出自動観測装置を使用して汚染物質の排出に対して観測を行う場合、その観測データを汚染物質排出の種類、数を査定する根拠とする。

汚染物質排出者が取り付ける汚染物質排出自動観測装置は、法により定期的に検査を行わなければならない。

第三章 排汚費の徴収

第十一条 国務院価格主管部門、財政部門、環境保護行政主管部門および経済貿易主管部門は、汚染対策の産業化という発展ニーズ、汚染防止の要請、経済的・技術的条件、汚染物質排出者の負担能力に基づき、国家排汚費徴収基準を制定する。

国家排汚費徴収基準に規定されていない省、自治区、直轄市の人民政府は地方の排汚費徴収基準を制定することができ、国務院価格主管部門、財政部門、環境保護行政主管部門と経済貿易主管部門に届け出て登録する。

排汚費の徴収基準の修正は、予告制を実行する。

第十二条 汚染物質排出者は、次の号に掲げる規定により排汚費を納付しなければならない。

(一)大気汚染防止法、海洋環境保全法の規定に基づき、大気中、海洋に汚染物質を排出する場合は、排出する汚染物質の種類、数により排汚費を納付する。

(二)水質汚染防止法の規定に基づき、水域に汚染物質を排出する場合は、排出する汚染物質の種類、数により排汚費を納付する。水域に排出する汚染物が国家または地方の規定する排出基準を超える場合は、排出する汚染物質の種類、数により倍増された排汚費を納付する。

(三)固形廃棄物環境汚染防止法の規定に基づき、工業固形廃棄物の貯蔵または処理施設、場所を建設していない、或いは工業固体廃棄物の貯蔵または処理施設、場所が環境保全基準に合致していない場合、排出する汚染物質の種類、数により排汚費を納付する。埋立て方式による危険廃棄物の処理が国家の関連規定に合致しない場合は、排出する汚染物質の種類、数により危険廃棄物の排汚費を納付する。

(四)環境騒音汚染防止法の規定により、発生した環境騒音が国家環境騒音基準を超えた場合は、発生した、基準超過の騒音等級により排汚費を納付する。

汚染物質排出者は排汚費を納付しても、それが負うべき汚染防止、汚染損害賠償の責任と法律、行政法規の規定するその他の責任を免除されない。

第十三条 汚染物質の排出に関する査定業務の責任を負う環境保護行政主管部門は、排汚費の徴収基準および汚染物質排出者の排出する汚染物質の種類、数に基づき、汚染物質排出者が納付するべき排汚費の額を確定し、かつ公告しなければならない。

第十四条 排汚費の額が確定された後、汚染物質の排出に関する査定業務の責任を負う環境保護行政主管部門が汚染物質排出者に排汚費の納付通知書を送付する。

汚染物質排出者は、排汚費納付通知書を受領してから7日以内に、指定の商業銀行に排汚費を納付する。商業銀行は規定の比率により、受領した排汚費をそれぞれ中央国庫と地方国庫に納める。具体的な方法は、国務院財政部門が国務院環境保護行政主管部門と共同で制定する。

第十五条 汚染物質排出者が不可抗力により重大な経済損失を被った場合は、排汚費の半減もしくは免除を申請することができる。

汚染物質排出者が適時に有効な措置を採らなかったために環境汚染をもたらした場合は、排汚費の半減もしくは免除を申請してはならない。

排汚費の納付減免の具体的な方法は、国務院財政部門、国務院価格主管部門が国務院環境保護行政主管部門と共同で制定する。

第十六条 汚染物質排出者が特殊な困難により、期間どおりに排汚費を納付できない場合は、排汚費納付通知書を受領してから7日以内に、納付通知書を発行した環境保護行政主管部門に排汚費の納付延期を申請することができる。環境保護行政主管部門は申請を受領してから7日以内に書面にて決定を行う。期間が満了しても決定を行わない場合は、同意と見なす。

排汚費の納付延期期限は最長でも3ヵ月を超えない。

第十七条 排汚費の納付減免、納付延期が認可された汚染物質排出者の名簿は、申請を受理した環境保護行政主管部門が同級の財政部門、価格主管部門と共同で公告する。公告は排汚費の納付減免、納付延期を認可する主な理由を明記しなければならない。

第四章 排汚費の使用

第十八条 排汚費は財政予算に組み入れなければならず、環境保全特定資金とし、管理を行い、主に次の号に掲げる事業の割り当て資金補助もしくは融資の利息補填に用いる。

(一)重点汚染源の防止

(二)地域的汚染対策

(三)汚染防止の新技術、新工程の開発、垂範および応用

(四)国務院の規定するその他の汚染対策事業

 具体的な使用方法は、国務院財政部門が国務院環境保護行政主管部門と共同でその他の関連部門の意見を求めた後に制定する。

第十九条 県級以上の人民政府財政部門、環境保護行政主管部門は、環境保全用途限定資金の使用に対する管理および監督を強化しなければならない。

第十八条の規定により環境保全用途限定資金を使用する機関と個人は、認可された用途に従って使用しなければならない。

県級以上の地方人民政府財政部門および環境保護行政主管部門は、四半期ごとに同級の人民政府、上級の財政部門および環境保護行政主管部門に本行政区域内の環境保全用途限定資金の使用と管理状況を報告する。

第二十条 監査機関は、環境保全用途限定資金の使用と管理に対する監査監督を強化しなければならない。

第五章 罰則

第二十一条 汚染物質排出者が規定に従って排汚費を納付しない場合、県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門が職権により期限付きで納付するようを命ずる。期限を過ぎても納付を拒否する場合は、納付すべき排汚費額の1倍以上3倍以下の罰金を科し、かつ認可権を有する人民政府の認可を経て、生産停止、営業停止、整頓を行うよう命ずる。

第二十二条 汚染物質排出者が詐欺の手段で排汚費の納付減免、納付延期に関する認可を得た場合、県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門は職権により期限付きで納付すべき排汚費の補足納付を命じ、かつ詐取した排汚費の納付減免もしくは納付延期額の1倍以上3倍以下の罰金を科す。

第二十三条 環境保全用途限定資金の使用者が認可された用途により環境保全用途限定資金を使用しない場合、県級以上の人民政府環境保護行政主管部門または財政部門が職権により期限付きで是正するようを命ずる。期限を過ぎても是正しない場合は、10年以内に環境保全用途限定資金の使用を申請してはならず、かつ流用した資金額の1倍以上3倍以下の罰金を科す。

第二十四条 県級以上の地方人民政府環境保護行政主管部門が徴収するべき排汚費を徴収しない、もしくは少なめに徴収した場合、上級の環境保護行政主管部門は期限付きで是正するよう命ずる権利を有し、または汚染物質排出者に排汚費の補足納付を直接命ずる。

第二十五条 県級以上の人民政府環境保護行政主管部門、財政部門、価格主管部門の職員に以下の行為のいずれかがある場合、刑法の職権乱用罪、職務怠慢罪、もしくは公金流用罪の規定により、法により刑事責任を追及する。刑事処罰に至らない場合は、法により行政処分を科す。

(一)本条例の規定に違反して排汚費の納付減免、納付延期を認可する。

(二)環境保全用途限定資金を横領、占用する、または環境保全用途限定資金を他用途に流用する。

(三)本条例の規定に従い監督管理の職責を履行せず、違法行為を取り締らず、ゆゆしい結果をもたらす。


 

第六章 附則

第二十六条 本条例は2003年7月1日より施行する。国務院が1982年2月5日に公布した『排汚費徴収暫定施行弁法』および1988年7月28日に公布した『汚染源整備用途限定基金の有償使用暫定施行弁法』は同時に廃止する。

 
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[1] 国や地方の排出基準を超えて環境汚染物質を排出している企業から、その排出基準超過分(超過した濃度と数量)に応じて徴収した料金。以下訳文では「排汚費」とする。――訳注