国家環境保全総局
環発[2002]56号
各省・自治区・直轄市の環境保護局(庁)、新彊生産建設兵団環境保護局、各直属機関および各派出機関:
国家環境保護総局はここに『全国生態環境保全「十五」計画』を印刷・配布する。この計画を真摯に組織、実行して頂きたい。
添付文書:全国生態環境保全「十五」計画
2002年3月28日
添付文書:
全国生態環境保全「十五」計画
一、全国の生態環境保全の情勢
(一)「九五」活動を回顧して
「九五」期間中、中国共産党中央委員会、国務院の正確な指導と全国人民の協同的な努力の下、我が国の生態環境保全は大きく進展し、新世紀の生態保護活動のため良好な基盤を打ち立てた。1996年に開かれた第4回全国環境保全大会は「汚染防止と生態保護を同様に重視する」という環境保全活動の方針を提出し、汚染防止を重んじて生態保護を軽んじるといった長年来の局面を徹底的に変化させた。その後、中央人口資源環境座談会の議上、国家はまた相継いで「保護の優先、予防メイン、防止と整備の結合」、「保護の過程で開発し、開発の過程でまた保護をする」といった生態保護の方針を確立させた。1998年と2000年に、国務院はそれぞれ『全国生態環境建設計画』と『全国生態環境保全要綱』を発布・実施し、生態保護と生態建設を同様に重んじるという基本原則を確立させた。これと同時に、国家環境保全「九五」計画の確定した「自然保護区の面積が全国土面積の9%を占める」という任務を所期期間内に完遂し、国内の自然保護区面積は既に9.85%に達した。2000年8月、我が国政府は《バイオセーフティー(安全)議定書》に調印した。全国の地域生態保護とその建設も突破的な進展を見せており、「退耕還林還草」、「退田還湖」、「移民建鎮」および天然林保護は著しい成果を収め、生態モデル区や環境保全型農業のモデル建設、重要生態機能区の保護、野生の薬草や鉱山といった重点資源の開発における生態保護はいずれも強化された。その他、ワラ焼きの禁止にも初めて効果が見られ、有機食品や緑色食品および無公害農産物も急成長し、農村の生態環境保全も重視されるようになった。
(二)全国生態環境情勢の基本評価
現在、我が国の生態環境情勢は依然として十分深刻である。生態悪化範囲は今なお拡大しており、悪化程度は激化し、危害も益々深刻になっている。目下の主要な生態問題としては、一つに地域生態のバランスの深刻な失調が挙げられる。長江、黄河等大河川の水源地域の生態環境悪化は激化し、河川沿岸地域の主要な湖や湿地も日増しに萎縮している。河川の断流、湖の枯渇、地下水位の低下が深刻で、林や草原の植生も退化し、生態機能は低下し、洪水や干ばつの災害が起こり、黄砂もその激しさを増している。海域と淡水漁業水域の汚染もより深刻化し、海食地形の範囲は拡大し、水域漁業の機能が弱体化した。資源の不合理な開発が招く生態系破壊の問題も依然深刻で、環境修復整備も停滞している。二つ目の問題としては、生物の多様性が深刻な脅威に曝されていることが挙げられる。全国の野生動植物の品種が豊富な地域の面積は絶え間なく縮小しており、貴重な野生動植物の生息域の環境が悪化したことで、種群の数量が減少し、遺伝質資源と野生種と親縁関係にある種が喪失され、貴重な薬用野生植物の数量も激減、珊瑚礁やマングローブも深刻な破壊に遭い、近海の天然漁業資源も衰退している。三つ目には、農村部の生態環境の質が持続的に劣化していることが挙げられる。ワラや家畜のし尿等、各種栽培・飼育・養殖業による廃棄物排出、農薬や化学肥料といった農業用化学品の不合理な使用、および生活汚水・ゴミ汚染といった問題はいずれも、現在の農村環境が直面している主要な問題である。現在、我が国の生態悪化は新たな増長の特徴を見せている。一つは「スポット的汚染が広範囲に広がる」ということである。即ち元々局部やごく限られた範囲でしか見られなかった生態系の破壊と悪化が、徐々に地域性と広範囲性を呈する生態悪化へと進行しているという点。二つには「量の変化から質の変化へ」で、元々単体的要素を主として破壊されていた生態系が、今では地域・流域の全域を覆う生態系の構造的破壊へと発展し、機能退化、ひいては機能の完全喪失を招いている。
現在、我が国の生態保護は、発展に資するという側面を持つ一方で、非常に深刻な制約的要素と困難にも直面している。第一に、中国共産党中央委員会と国務院は生態保護と建設を十分に重視しており、国民の生態保護意識も日増しに高くなってきているが、生態保護と建設の発展がアンバランスで、「建設を重んじて保護を軽んずる」、「生態環境を整備しつつ破壊する」、「整備が破壊に追い付かない」等々の問題が依然突出しており、土地の砂質化と草原の「三化(砂漠化、退化、塩害化)」面積がそれぞれ毎年3,000㎢と2万㎢の速度で拡大している。第二に、西部大開発戦略によって、生態保護はチャンスと挑戦の両方と同時に対峙しており、その任務は極めて困難な状態にある。第三に、生態保護活動の基盤が脆弱で、特に法執行による監督とモニタリングによる予報警報能力が不足しており、社会経済発展のニーズとも兼ね合いがとれていない。如何にして生態環境保全の総合能力を引き上げるか、そして生態悪化の激化趨勢を早急に抑制すること、これは「十五」期間中、重点的に解決しなければならない問題である。
今後の五年間は、国家経済社会の発展にとって鍵となる時期である同時に、山と河川の美化という新世紀の目標を所期期間内に確実に実現できるかどうかを分ける重要な時期でもある。本計画は、主に『国民経済・社会発展第10次5ヵ年計画要綱』の要求に照らし、全国環境保全の発展と西部大開発戦略実施のニーズに合わせ、今後五年間(2001~2005年)の全国生態環境保全の重点分野と目標・任務を計画し、我が国の生態環境保全を一つ新しい水準へと引き上げ、「十五」経済社会の発展実現に有力な保障を提供するものである。
二、指導原則と目標
生態環境保全「十五」計画を編成する上での主要な根拠は『全国生態環境保全要綱』である。全国生態環境保全の「十五」期間における基本的な任務は、『全国生態環境保全要綱』の確定する、短期内に早急に完成すべき目標、任務と措置を着実に実行するよう努力することである。
(一)指導原則
1、人と自然の調和とハーモニーを促進すること。重要思想「三つの代表」の生態環境保護・改善の要請に照らし、生産の発展と豊かな生活および生態系の良好という文明発展への道を努めて開拓し、人々が優美な生態環境の中で仕事をし、生活を送れるようにしなければならない。
2、生態保護と生態建設の両立を図ること。生態建設に注ぐ力を更に強めると同時に、「保護の優先、予防メイン、防止と整備の結合」の原則も堅持し、一部地域の「建設しながら破壊する」といった受動的な局面を徹底的に転換させなければならない。
3、汚染の防止・整備と生態系の保護を同時に行うこと。地域・流域の環境汚染と生態破壊との相互影響・作用を充分に考慮し、計画の統一を堅持し、同時に実施し、都市部・農村部の汚染防止・整備と生態系保護を有機的に結合させ、都市部と農村部の環境保全一体化の実現に努めること。
4、全体と個別の利益に同時配慮し、総合的なプラン設計を行い、合理的な開発を進めること。経済の発展は自然の法則に従うべきであり、生態環境のキャパシティを充分に考慮し、「保護の過程で開発し、開発の過程でまた保護をする」ことを堅持し、短期と長期を統一させ、局部と全局に同時配慮し、生態環境の犠牲を代償に現前の・局部の利益を取ることを断じて行ってはならない。
5、開発者が保護を、破壊者が修復を、使用者が支払いを行うこと。生態環境保全の責任、権利、利益を明確にし、法律、経済、行政と技術の手段を充分に活用して生態環境を保護しなければならない。
6、生態系になぞらえた管理思想を持つこと。大系統・大環境の観念を樹立し、単体的要素の保護をしっかりと行うと同時に、地域・流域の複合的要素・複合的系統に対する総合管理と生態構造・機能に対する保護を強化しなければならない。
7、監督管理の統一と分業・協力を結合させること。生態環境保全は多階層と多分野に関連するため、政府各クラスの関係部門は自らの職責を全うすると同時に、相互間の調和と協力を強化し、共同で我が国の生態保護を確実に行わなければならない。
8、生態環境保全と精神文明建設を結合させ、社会から参加者を広範に動員すること。広範な大衆が生態系保護に不利益な各種陋習を除き去ることを積極的に奨励し、人と自然のハーモニックな社会の新風習を樹立しなければならない。
(二)目標と指標
「十五」生態環境保全の目標は、2005年までに生態環境保全の監督管理能力を増強し、生態悪化の趨勢を初歩的に抑制し、生態建設の成果が効果的に足固めされるよう努力し続けることである。
1、重要生態機能区と生物多様性の保護目標とその主要な指標
「十五」期間中、レベル別緊急措置的に一連の生態機能保護区を設置し、一部の大河川水源地域、洪水調節貯水区、水土保全重点予防保護区、重点オアシスと重要漁業水域等、重要な生態機能区における生態悪化の趨勢を初歩的に抑制し、一部の生態機能を回復させること。自然保護区の新規建設、および既存の自然保護区の建設と管理保護の水準を高め、各種の良好な自然生態系と重要な種群が効果的な保護を受けられるようにし、そして自然災害の危害を効果的に緩和し、国家の生態安全を確保すること。
主要な指標
――55の生態機能保護区を設置する。そのうち国家級生態機能保護区を15ヵ所設置する。
――自然保護区の面積を陸地国土面積の13%以上に到達させる。海洋自然保護区の面積については4万㎢以上達成を目指す。
――60%の重要湖・湖畔一帯と海岸線地帯の生態機能が、基本的に保護を受けられるようにする。
2、重点資源開発区における生態保護の目標とその主要な指標
「十五」期間中、生態環境保全の監督管理体系を基本的に構築・完備し、人為的に生態を破壊する違法行為を規制し、水・土・草原・森林・海洋・生物・鉱物等重点資源の開発による生態環境破壊を低下させ、破壊された生態への修復・整備率をある程度引き上げ、自然生態系の自己恢復能力が増強されるようにすること。
主要な指標
――資源開発建設プロジェクトの環境アセスメント制度と「三同時」制度の執行率が90%以上に達すること。
――重点土壌流失規制区域内の開発・建設プロジェクトの水土保持方案執行率が90%以上に達すること。
――天然林と成熟林、老齢過熟林の面積が安定を保ち、質も安定的に向上されること。
――新たな土壌流失面積の年間拡大速度が2000年の拡大速度を60%下回ること。
――鉱産物資源の開発が破壊した生態に対する修復・整備率が25%以上に達すること。
3、生態良好区の保護目標とその主要な指標
「十五」期間中、更に一歩規模を拡大し、基準を引き上げ、管理を強化し、生態モデル区の建設水準を高め、生態に好循環をもたらし、経済社会が健全に発展している県と市の割合が更に一歩高められるよう努力すること。一連の環境保全型農業モデル県とアメニティ小規模都市を新規建設すること。
主要な指標
――120の国家級生態モデル区を新規建設すること。
――100の環境保全型農業モデル県を新規建設すること。
――100のアメニティ小都市を創建すること。
――一連のエコ市とエコ県の建設に尽力すること。
4、農村生態環境の保護目標とその主要な指標
「十五」期間中、農村の生産と生活環境がある程度改善され、栽培と飼育・養殖業の廃棄物排出が基本的にコントロールされ、資源化率がある程度引き上げられるよう努めなければならない。農業用化学品の環境安全管理が強化され、重点地域の農薬・化学肥料等の面源汚染の悪化傾向が緩和されるよう努めなければならない。
主要な指標
――飛行場、高速道路、鉄道、風景名所の周辺等、重点ワラ焼却禁止区のワラ焼き禁止率が95%以上に達すること。全国のワラ総合利用率が80%に達すること。
――重点地域の規模化された家畜飼育場からの汚水排出基準達成率が60%に、し尿資源化率が70%に達すること。
――農業灌漑用水が農地灌漑水質の基準を充たし、農産物の質と安全の水準もある程度引き上げられるよう尽力すること。
三、主要な任務
『全国生態環境保全要綱』を全面的に貫徹し、重要生態機能区、重点資源開発区、生態良好区の生態保護を適切にしっかりと行い、生態機能保護区の建設、資源開発の生態保護監督管理、生物の安全管理、農村環境保全で新たな進展が得られるよう尽力すること。
(一)重要生態機能区の保護を強化
1、中部・西部の生態脆弱地区における重要生態機能区を重点的に保護すること。大河川の水源地域、重要な水源涵養区、水土保持重点予防保護区、天然洪水調節・貯水区、重点砂漠オアシス、重要漁業水域等、重要生態機能区の保護を適切に強化しなければならない。「十五」期間中、長江と黄河流域の水源地域、重要水源涵養区、水土保持重点予防保護区、上・中流の天然洪水調節・貯水区、松花江流域の天然洪水調節・貯水区、秦嶺と雲南省北西部の山麓地帯の生物多様性が特に豊富な地区および華北・西北地区の黒河流域、タリム河下流域、陰山北麓等の重要な防風・防砂地域、および「南水北調」水源地域と東海舟山地区の重要漁業水域等に、優先して一連の国家級の生態機能保護区を設置する。また、条件を充たす地区による地方レベルの生態機能保護区建設を奨励する。
2、可能な限り生態機能保護区の保護監督キャパシティを早急に形成すること。生態機能保護区の監督管理キャパシティビルディング、インフラ整備、生態機能修復事業の建設を推進し、生態機能保護区のモデル試行を展開すること。生態環境が十分に脆弱で、生存条件が劣悪な、人口も環境キャパリティを深刻に超過している一部少数地域に対しては、適切な生態移民政策を実行する。国家級生態機能保護区の管理を規範化し、生態機能保護区の評価審査管理、法的制度、技術的基準等の管理体系構築を推進しなければならない。
(二)生物多様性の保護能力を高める
1、自然保護区の建設と管理の水準を高めること。引き続き一連の自然保護区を新規建設すること。草原・湿原の生態系、干ばつ・荒漠区の生態系、海洋・海岸地帯の生態系、野生植物、地質遺跡、古代生物遺跡等類型の自然保護区の建設を強化すること。東部地区の中・小規模自然保護区の建設をスピードアップし、あらゆる類型が全て揃った自然保護地区群の形成に尽力すること。力を集中させ、西部地域に規模の比較的大きな一連の自然保護区を建設すること。大・中都市の郊外に既存する自然生態系を出来るだけ自然保護区に画定すること。数量の重視から質の重視へと転換させ、『自然保護区条例』を補完する規則・制度・基準の完備をしっかりと掴み、自然保護区の地方性法規の整備をスピードアップさせ、既存の自然保護区の管理機関とインフラ整備を強化し、類型の異なる自然保護区の建設と効果的な保護管理による垂範を展開し、自然保護区の管理水準を不断に高めること。
2、野生動物の捕殺と野生植物の採集という違法行為を抑制すること。「十五」期間中、密輸と各種野生動植物を食材とするレストランの取り締まりを突破口として、みだりに野生動物の捕殺や野生植物の採集を行ったり珍重な野生動植物の転売・転買を行ったりする違法活動を厳格に取り締まること。生産・流通ルート・市場の監督管理を強化し、益虫・益鳥・益獣の捕殺、採集と販売を厳格に規制し、野生の漢方薬草の採集活動も厳格に規制すること。貴重野生動植物繁殖センターと拠点の建設を引き続き展開し、貴重な、絶滅の危機に瀕している野生動植物の人工繁殖と自然回帰を推進すること。
3、国家の生物多様性と生物の安全管理を強化すること。生物多様性保護の条約履行メカニズムを改善し、森林、草原、海洋、内陸水域、農業と乾燥・半乾燥地帯の生態系における生物多様性保護業務方案を制定・実施すること。外来種の侵入とその生態影響調査を完成させ、法規を制定し、外来種の環境安全管理を強化すること。遺伝子資源の獲得とその利益を分かち合うメカニズムの研究を展開し、その管理を不断に強化すること。生物多様性保護監督管理のキャパシティビルディングを更に強化し、生物多様性保護の広報、教育と研修に注ぐ力を強めること。生物の安全管理を強化し、関連法規を完備させ、技術的基準と規範を制定し、管理機関、リスク評価とリスク管理の制度を敷き、『農業遺伝子組み替え生物の安全管理条例』を真摯貫徹して着実に実行し、現代のバイオテクノロジーが生み出した、遺伝子組み替え体とその製品が、生物多様性、生態環境と人体の健康にもたらす影響を最低限に抑え、我が国のバイオテクノロジーの健全な発展を促進すること。
3、重要な湿地の生態機能を保護・修復すること。東北三江平原、長江中・下流域の湖群湿地、西南部と四川西北高原の湿地、青蔵地区の高山寒冷湿地、渤海海岸湿地、南海のマングローブと珊瑚礁分布地帯および河口の湿地を重点とし、湿地の生態機能と生物多様性の保護を展開し、大・中型の湖と湖畔地帯の保護区、大・中型の湿地帯自然保護区の建設と管理を強化し、中国の国際重要湿地地点を拡大・増加させること。太湖、ティエン池、巣湖等8~10の重要湖、マングローブと珊瑚礁の分布地帯を重点とし、湖畔・海岸地帯の保護とその生態系の復元・回復のモデル事業を展開すること。湿地資源開発の際の生態保護監督管理と沿海地域の砂浜の保護を強化し、中国の湿地モニタリング体系と湿地管理データバンクの初歩的な構築を行い、湿地開発の生態環境アセスメントの基準体系を構築すること。
(三)自然資源開発における生態環境保全を強化する
1、資源開発における生態環境保全の監督管理を強化すること。監督管理制度を更に一歩改善し、生態保護のための統一された調和と部門間での連合による法執行メカニズムを構築し、水、大地、草原、森林、生物、鉱産、観光等重点資源開発の生態保護に関する法執行に注ぐ力を強めること。
水質環境の安全と水生態のバランスを維持すること。水資源管理を強化し、河川の基本流水量保障制度の構築を模索し、重点河川流域の生態用水を科学的に査定すること。深刻な水不足問題を抱える地域を画定すると共に地下水汲み取り禁止エリアを設け、また大量の水を消耗する産業の発展を厳格に規制し、小ブロックでの流域整備を展開し、土壌流失を防ぐこと。
国土・鉱物資源開発の生態環境保全を強化すること。国土資源の管理を強化し、土地利用総合計画の編成と実施をしっかりと行い、土地利用構造とその配置を合理的に調整し、生態機能保護区、自然保護区等生態用地の需要を保証し、重要生態機能を有する森林地、草地と湿地を優先して保護すること。ダムと飲料水水源保護区を重点とし、ダム周辺および河川沿岸地域での鉱物採掘の秩序を整頓し、環境の安全を確保すること。鉱山環境整備と土地の再墾をスピードアップし、鉱山環境汚染と生態破壊の総合対策・整備を展開すること。
森林の生態機能を維持すること。森林資源の管理を厳格に行い、森林の分類経営を推進し、天然林と保安林に対する保護に更に力を入れ、早生・多収穫林の植林スピードをアップさせ、一般用材林と「兼用林」[1]の伐採サイクルを延長させ、既存の森林の生態効能を充分に発揮させること。自然保護区、名所景勝地および森林公園にある森林の伐採を禁止し、生態公益林の保護強化に本腰を入れて取り組むこと。東北地区と西南地区を重点とし、天然林と生態公益林保護区域周辺地区の木材加工場を徹底的に整理し、各種の盗伐や規定量以上の伐採といった活動を厳格に取り締まること。退耕還林を実施した地域の保護を強化し、管理保護資金を着実に投入し、生態系整備に見られた成果を確固たるものにすること。
草原生態を保護・修復すること。天然草原の保護と草地資源の管理に注ぐ力を更に強め、重要な生態機能区を重点とし、開墾禁止エリアと放牧禁止エリアを合理的に画定すること。草原への法執行による監督管理体系の構築を急務とし、草原の放牧キャパシティ査定作業を完成させ、放牧禁止エリアと放牧禁止期間およびローテーションによる放牧が互いに補完し合う草原維持・保護制度を敷き、新規の草原開墾を断じて阻止すること。また、ファーツアイ(発菜)の採集禁止、カンゾウ(甘草)やマオウ(麻黄)等防砂効能を持つ野生植物および漢方薬草のむやみな採集を禁止する監督作業を更にしっかりと行うこと。農村のエネルギー建設事業を実施し、メタンガス、省エネコンロ、風力エネルギー、太陽エネルギーおよびバイオマスエネルギー等新しいエネルギーの開発を発展させ、薪の過度の刈り取りが草地・潅木にもたらす破壊を減少させること。
観光資源開発の生態環境保全を強化すること。観光地の環境保全定量査定を全面的に展開し、水・空気・ゴミ・騒音汚染対策と整備を積極的に推進し、自然景観、人文景観と生態環境を保護すること。国家重点観光地に対し環境保全計画を展開し、環境保全管理体系を改善し、エコツーリズムモデル区の試行を展開し、ISO14000規格に準ずる風景名所モデル地区を15ヵ所創建すること。法規的基準を改善し、観光業の規模を合理的にコントロールし、観光施設建設プロジェクトの環境マネジメントを厳格に行い、エコツーリズム活動を規範化し、観光業の持続可能な発展を促進すること。
2、西部開発に伴う事業建設の際の生態環境保全を強化すること。「西気東輸」と「西電東送」、「青藏鉄道」、「南水北調」等重大事業建設および高速道路、鉄道敷設に対する環境アセスメントと施工監督管理を厳格に行い、生態回復を組織し、緑色通路を建設すること。新彊、青海、陜西等乾燥地域での油田開発建設の環境監督を強化し、施工区を合理的に画定し、砂漠・荒漠の植生と地下水源を保護すること。タリム河流域、山西・陜西・内モンゴルの接境地および山西・陜西・河南の接境地での資源開発の環境保全監視体系を強化し、むやみな開墾・伐採・掘り返しといった活動を厳禁し、破壊された生態に対する修復と整備に注ぐ力を更に強め、重点事業のモデル試行を展開すること。山峡ダム地域、黄河中・上流域、黄河小浪底ダム地域および雲南・広西・貴州のカルスト地帯における土壌流失と石漠化の整備を推進し、山峡ダム地区と小浪底ダムおよび龍灘ダムの環境安全を確保すること。また、西部地域で行われている地方レベルの開発建設活動における生態環境保全をレベル別に強化させ、大規模な生態破壊が新たに行われることを防止すること。
(四)生態の良好な地域における生態保護の垂範を推進する
1、生態モデル区を建設すること。引き続きモデル地区での試行を組織し、2005年までに、4~5ヵ所のエコ省を試行設立し、地区・県レベルの生態モデル地区を300~400ヵ所設立するよう尽力すること。エコ省建設と同時に、東部地区と経済の比較的発達した地域で、一連の地区(市)級生態モデル地区の建設を重点的に発展させ、省人民政府の所在都市、環境保全モデル都市と条件の比較的良好な県(市)で、率先してエコシティ、エコ県を建設すること。条件を充たす西部の地区で、西部大開発と結合させ、生態改善で富を得た或いは貧困脱却したというモデル地区を発展させること。北京市、天津市、河北省の関係地区の提携による環首都エコ経済圏の建設を奨励すること。生態モデル地区に対する査定、検収、地区の命名についての管理規則と制度を更に一歩改善し、全国生態モデル地区の管理システムと情報ネットワークを初歩的に構築し、規範化された管理を実現すること。既に検収を受け、命名も行われた一部の生態モデル地区については、その計画更新を展開し、雪だるま式発展メカニズムを形成し、生態モデル区の建設と管理水準を更に一歩高めること。
2、環境保全型農業のモデル県を建設すること。環境保全型農業の、生態環境整備と農村の面源汚染対策と無公害拠点の建設といった方面におけるモデル効果と推進役割を更に一歩発揮させ、環境保全型農業を営むモデル県の建設を展開すること。「十五」期間中、国家と省が建設する環境保全型農業モデル県は300以上に達せられるべきとし、農業産業構造の合理化、生産技術の生態化、生産過程のクリーン化および生産品の無公害化をその主要な特徴とした環境保全型農業の一連の「逸品」的モデル事業を建設すること。環境保全型農業建設に対する指導、管理と技術・情報サービス体系を構築・整備すること。関連する財政、貸付、税収優遇政策を制定・執行し、環境保全型農業の健全なる持続的発展を促進し、モデル県のモデル効果を充分に発揮させること。
3、アメニティ小都市を創建すること。小都市の環境計画管理を強化し、60%の小都市がその環境保全計画を完遂し得るよう尽力すること。効果的な措置を採って、高消耗・高汚染を出す立ち遅れた工業の農村への、特に西部地域の農村への移転を阻止すること。郷鎮工業エリアの設置と汚染集中規制、村と町のゴミの無害化処理を推進し、土地柄に合わせた措置と多方面からの資金調達によって、町村の汚水処理施設とゴミ処理施設を建設すること。重点水域、水系と基本農田を保護し、自然保護住区と園林居住区を建設し、条件を有する地域には更に、町村集中型飲料水水源保護地を画定し、農村飲料水水源地の水質環境クオリティが基本的に飲用基準を充たすことを保証しなければならない。アメニティ小都市建設を受け皿とし、町村の生産・生活汚染対策と農村面源汚染対策を重点とし、小都市環境保全体系を改善し、市町村環境保全監督管理チームを整え、郷鎮環境建設の健全な発展を推進すること。
(五)農村環境保全の足踏みを速める
1、エコ・エコノミーを積極的に発展させ、エコ家園富民計画を実施すること。「十五」期間中、農業産業構造の調整と小都市建設のスピードアップのきっかけをしっかりと掴み、農業と農村経済を大いに発展させると同時に、農村における生産・生活汚染のコントロールと農村環境質の改善を環境保全の重要任務とし、低汚染・少廃棄物の環境保全型農業、有機農業、節水農業を奨励し、生態環境保全と経済社会発展の一挙両得が実現できるよう尽力すること。一連のエコ家園富民モデル区実施を組織し、農民が立ち遅れた生産生活方式を改めるよう導き、生態モデル事業、メタンガス事業、太陽エネルギー利用事業、薪と石炭節約事業、小型電源事業等の推進・普及を通じ、農家の基本生活・生産を内に含めた生態の好循環を形成し、農民の住居を暖かく清潔なものに変え、且つ庭院経済[2]の効率アップと農業生産の無公害化を実現させなければならない。
2、汚染抑制を強化し、栽培と飼育・養殖業からの廃棄物の資源化を促進すること。ワラの野焼き禁止に対する法執行に注ぐ力を強め、ワラの総合利用を促進すること。飛行場、高速道路、重要な鉄道幹線、高圧送電線および名所景勝地、自然保護区、人口密集地域およびその周辺地区でのワラ焼却禁止区制度を引き続き普及させ、監督・審査制度と重大事故責任追及制度を打ち立てること。飼料・肥料・燃料・工業原料等の分野からワラの総合利用ルートを開拓し、「秸稈還田」(ワラを畑へ還す)、「過腹還田」[3]、「秸稈気化」[4]技術とその他の総合利用措置を大々的に推進し、ワラを工業に利用する新たな方法を開発し、ワラ焼却禁止エリア内におけるワラの総合利用率を比較的大幅に引き上げるよう尽力しなければならない。家畜飼育業、魚類養殖業による汚染を抑制し、飼育・養殖業の汚染対策を図るための経済・技術政策と汚染物質排出基準を制定し、飼育・養殖汚水処理技術と家畜のし尿の資源化技術を開発し、飼育・養殖業と栽培業を密に結合させる生態事業建設を大々的に推進し、関連産業の発展を積極的に導き、有機肥料の生産・販売・使用の市場メカニズムを構築し、廃棄物の資源化を促進すること。漁業資源と漁業水域の生態保護を強化し、養殖キャパシティと捕獲の強度を合理的に確定すること。規模化された飼育・養殖場の汚染対策を優先的に推進し、「三湖」(太湖、巣湖、ティエン池)地域、長江デルタ地帯と珠江デルタ地帯、および経済が比較的発達した東部の省人民政府所在都市、重点都市の郊外や県といった重点流域・地域での期限付き汚水排出基準達成制度を実行すること。
3、農業用化学品の環境安全管理を強化すること。農薬の環境安全管理を強化し、農薬の不合理な使用による危害の発生を減少させること。農薬の生産と使用に関する環境安全管理法規と基準を改善し、中・高度の毒性と高い残留性を有する農薬の使用申告制度を模索し、人口密集地域と自然保護区における農薬使用への管理を強化すること。強い効能を持つが毒性と残留性は低いといった化学農薬の開発と普及を奨励し、生物農薬を発展させ、メタミドホス(Methamidophos)、ホスホロチオアート(phosphorothioate、別名メチルパラチオン)、モノクロトホス(Monocrotophos)、ホスファミドン(Phosphamidon)等、毒性の高い有機リン農薬品種を、主要な生産・使用の農薬品種の中から徐々に淘汰させること。化学肥料使用の環境安全管理を強化し、農業の面源汚染を軽減させ、異なる流域・異なる植栽構造における化学肥料の合理的な施用量とその流失率および水質汚染への貢献度を積極的に模索し、環境安全のための化学肥料施用制限基準を制定すること。高濃度で緩効性化学肥料を積極的に発展させ、窒素、リン、カリウムの施肥の比例を合理的に調節し、有機肥料の施用を奨励すること。深層施肥、被覆肥料利用による施肥、緩効性肥料利用による施肥、複合肥料・配合肥料利用による施肥および「測土施肥」[5]等技術を積極的に普及させ、化学肥料の利用率を高め、流失率を低下させること。農業用プラスチックフィルム使用に対する環境安全管理を強化し、農業用プラスチックフィルムによる汚染の現状調査を展開し、農業用プラスチックフィルムによる汚染の防止と整備に関する法規と基準を制定し、農業用プラスチックフィルムによる汚染が深刻な地域におけるその使用量を制限すること。農業用プラスチックフィルムのリサイクル技術と生分解性プラスチックの生産技術を積極的に開発し、超薄型の農業用プラスチックフィルムの生産とその使用を厳格に制限すること。
4、農産物の安全保障システムを構築すること。土壌汚染調査と土壌汚染対策のモデル実験を展開し、無公害農産物の生産モデル拠点を建設し、基本農田、有機食品、緑色食品、無公害農産物とその他良質農産物の拠点における環境保全を強化し、必要な緩衝区を建設し、工業・鉱業の建設と汚染排出を厳格に規制し、重点地域の農業の汚水灌漑[6]水準を更に一歩高めること。農産物の環境安全コントロール基準を制定・改善し、農産物の環境安全モニタリングと監督管理システムを立ち上げ、生物の成長ホルモンの農業生産における使用を厳格に規制し、野菜、果物、茶葉や漢方薬草の生産過程において、猛毒で残留性も高い農薬の使用を禁止し、農産物の質と安全水準を高めること。有機食品、緑色食品と無公害農産物を積極的に発展させ、優遇奨励政策を実行し、有機食品、緑色食品と無公害農産物の発展における監督管理を強化し、有機食品生産拠点の建設を推進すること。自然生態条件が比較的良好な地区、特に中部・西部地域での有機食品開発を支持すること。「菜籃子事業」における環境保全を強化し、引き続き「緑色通路を切り開き、緑色市場を育て、グリーン消費を提唱する」を主要内容とする「三緑工程」[7]を推進し、「十五」期間中に「十本の緑色通路、百ヵ所の緑色卸問屋市場、千軒の緑色小売店と万種の緑色ブランド」を創建するという任務の達成に尽力すること。
四、実施対策と措置
「十五」期間における生態保護目標の実現と各項任務の完成を確保するため、国家既存の環境保全と資源管理に関する法律・法規を必ず厳格に執行しなければならない。同時に、中国共産党中央委員会と国務院からの要請と国際環境保全情勢の発展に基づき、生態保護の政策、措置と制度面で大胆な革新を行い、勇敢に開拓して行かなければならない。
(一)基礎を突き固め、生態保護の区画と計画をしっかりと行うこと
生態環境の現状調査を展開し、生態環境が地域の経済・社会発展に対するキー的制約要素を診断すること。西部地域の生態現状調査を基礎に置き、東部・中部地域の生態調査を完成させ、我が国の生態環境の現状を全面的に把握してデータバンクを設立し、各級政府の政策決定にその根拠を提供すること。
生態機能の区画編成を行うこと。省域での生態機能区画を完成させ、水、土、草原、森林、海洋、生物、鉱産、漁業等自然要素の生態機能および省内各類型の地域における生態機能と効果を更に一歩明確にし、経済構造調整、自然資源の開発と産業の合理的配置を指導し、地域経済社会と生態環境保全の調和と健全な発展を推進すること。
生態保護計画を制定すること。生態機能区画を基礎に置き、地域的社会・経済発展のニーズを結合させ、各時期、各重点地域と重点分野における生態保護の目標と任務を更に一歩明確化する。
衛星リモート・センシング等ハイテク手段を駆使した国家生態環境モニタリングネットワークと情報システムを構築し、生態破壊の状況と変化を適時に掌握し、国家生態環境白書を定期的に発行すること。国家の重要生態機能区と重点資源開発区の生態状況に対する監視コントロール能力、および重大な生態災害に対する予報・警報能力を高めること。
(二)法制を強化し、生態保護の法律体系を改善すること
1、生態保護の立法をスピードアップさせること。『生態環境保護(保全)法』の立法作業を推進し、生物安全管理条例、生態機能保護区管理条例、遺伝子資源保護条例と外来種防止管理条例の制定を早急に行うこと。草原法の改正を完成させ、生態用水の管理法規を改善すること。地方の生態保護、自然保護区管理法規と監督管理制度を更に一歩完全化し且つ改善すること。
2、環境保全と自然資源管理に関する現行の法律・法規の法執行への注力を強めること。各部門間の連合による生態環境保全に関する法執行メカニズムを構築し、生態を破壊する重大案件に対する取り締まりを重点的に掴み、生態環境保全における法執行の権威を樹立すること。
3、生態保護の基準設定を強化すること。エコ省、エコシティ、エコ県に対する基準の制定を早急に行うこと。各種の自然資源開発がもたらす生態影響を評価する際の指標・基準、生態破壊規制基準と回復・整備基準および生態保護の技術的規範と技術的政策を改善・制定すること。統一的な省域生態環境質査定基準、エコツーリズムモデル区の建設基準、自然保護区・名所景勝地・森林公園での環境保全査定基準を制定すること。農薬、化学肥料の環境安全コントロール基準を制定すること。
(三)責任の所在を明らかにし、生態保護の監督管理を強化すること
1、各級政府と部門の生態保護責任制度を構築・改善すること。各級政府は、自らの管轄区内での生態環境質に責任を負い、各部門は自らの担当する業種とシステムの生態保護を政府の関連査定内容に盛り込む責任を負い、各々が責任状にサインすること。生態保護の統一的な監督管理メカニズムを更に一歩強化し、地域の生態環境質に対する審査および生態保護・建設の監査制度を模索して徐々に構築すること。
2、「開発者が保護をし、破壊者がそれを修復する」という原則に基づき、資源開発機関と法人の生態保護責任を明確化し、生態破壊に対する期限付き修復・整備制度を打ち立てること。
3、生態保護の監督管理キャパシティビルディングを強化すること。関係をスムーズに整え、機関体制を改善し、各級政府の環境保全部門と資源管理部門に関連する生態保護監督管理の職能を更に一歩強化すること。各級の生態保護監督管理要員に対し定期的に研修を行い、業務の資質を向上させること。投入資金を増額し、レベルごとに設備建設の監督管理をしっかりと行い、現場での法執行能力を高めるよう尽力すること。
(四)投入を増加させ、生態保護資金の調達ルートを建設すること
1、市場経済体制に適応する生態保護への投資メカニズムを打ち立てること。生態環境保全を国民経済と社会発展の年度計画に盛り込み、生態機能保護区、自然保護区、生態モデル地区、農村汚染規制モデル事業、生態保護の監督管理キャパシティビルディングおよび生態モニタリングステーションネットワークの建設とその運行にかかる費用を各級政府の財政予算に盛り込み、生態保護資金の固定的な調達ルートを打ち立てなければならない。職権区分の原則に基づき、多ルート・多レベル・多方面からの保護資金調達を堅持すること。資源開発によってもたらされた生態破壊は、必ずその開発を行った機関或いは個人の投資により再建と回復を行うことを堅持しなければならない。
2、市場メカニズムを積極的に運用し、生態保護に関連する産業の発展を促進すること。環境保全型農業、有機農業、生態回復の科学技術コンサルティングと技術提供サービス体系の構築を急ぎ、市場メカニズムを導入し、企業に農民世帯を加えた産業化の発展経路をたどることを奨励する。「十五」期間中に、農業有機廃棄物と都市部の有機ゴミの資源化を重点とし、一連の製品と企業を助成し、農村部環境関連産業の発展をスピードアップさせなければならない。
3、「使用者がその代価を支払う」という原則に照らしてテストケースを展開し、資源開発補償、流域補償および遺伝子資源の利益の分かち合いを主要な内容とした生態環境補償メカニズムの構築を模索すること。
(五)開拓と革新を行い、生態保護に対する科学技術サポート能力を高めること
1、生態保護に関する科学研究を重視し、投資を拡大すること。生態保護科学研究を各級政府の科学技術発展の重要分野に取り込み、それに対し重点的な助成を行わなければならない。科学技術の革新を奨励し、生態保護科学研究に携わる人材を積極的に養成し、生態保護に対する科学技術サポート能力を不断に高めること。
2、重要な生態保護理論と技術を研究・開発すること。地域・流域の生態環境と社会経済との調和ある発展、生態系の方式および生態機能区画と生態影響評価の理論と方法を早急に立ち上げること。農村部における環境保全と生物多様性の保護、生態系の回復と水土の保持等重点生態保護分野の技術開発と普及作業を強化し、モデル事業を組織すること。
(六)国民全体教育を展開し、生態保護に対する責任感を増強させること
1、生態保護をめぐる広報をたゆまなく展開することを堅持し、国民全体の生態保護意識と公徳心を更に一歩増強させること。全国生態環境の情勢変化と国家生態保護戦略の発展のニーズに基づき、科学・芸術・ニュースを結合させた形を利用して、生態環境に関する「警示教育」を定期的に展開する。草原保護、森林保護、黄砂対策、水土保持と鉱山環境保全、観光環境保全等の特定テーマに沿った広報・報道の展開を組織し、公衆の生態意識と環境意識、生態保護をしっかりと行う事に対する責任感と使命感を不断に高めること。
2、世論による監督を更に一歩強化し、公衆の参加を奨励すること。先進的模範者を表彰する一方で、生態破壊の違法行為を明るみに出すこと。公衆からの投書・陳情、通報、公聴会と公示の制度を改善し、公衆とNGO組織の参与を奨励し、広範な大衆の生態環境保全に対する意欲を充分に引き出すこと。
3、農村部環境保全に関する特集テーマ広報を展開すること。今後の5年間で、農民を重点的対象として、生産と生活の環境保全を主要な内容とし、国家の重点汚染対策事業に協力し、農業の構造調整と結合させ、農村地域で広範にわたる生態環境保全の広報活動を展開し、環境保全に関する知識を普及させ、エコインダストリー技術を伝授しなければならない。
(七)真摯に条約を履行し、国際交流と協力を広範に展開すること
1、生態環境保全をめぐる国際条約を真摯に履行すること。『生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)』、『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(通称:ラムサール条約 Ramsar Convention、国際湿地条約、または水鳥湿地保全条約ともいう)』、『国連砂漠化対処条約』および『バイオセーフティー(安全)議定書』の条約履行作業をしっかりと行い、国内の条約履行協調メカニズムを改善し、互いに力を合わせること。各種条約履行に係る問題の研究を強化し、国際条約における談判と履行の対処能力を高め、国家の生態環境保全における権益を維持すること。
2、多国間或いは二国間の国際協力を広範に展開すること。国外資金と生態保護の先進技術と経験を積極的に導入し、我が国の生態環境保全事業の全面的な発展を推進すること。国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、地球環境基金(GEF)、世界銀行およびアジア開発銀行との連携を更に一歩強化し、協力の領域を不断に広く切り開き、我が国の生態保護の監督管理キャパシティビルディングを強化すること。西部地域と貧困地域の生態保護を国際協力における優先分野とすること。
五、重点事業
「十五」期間中、生態環境保全のインフラ整備、キャパシティビルディングとモデル事業建設をメインに置き、重点事業の実施を通じ、生態環境の管理と保護の水準を全面的に引き上げ、生態保護目標の実現を確保しなければならない。
(一)生態機能保護区の建設事業
1、国家級。長江・黄河・遼河の水源地区、洞庭湖・鄱陽湖・三江平原の洪水調節・貯水区、黒河流域・陰山北麓・タリム河下流域の防風防砂地区、長江・黄河上・中流域の水土保持重点予防保護区、「南水北調」事業における東部水路・中部水路の水源地域の水源涵養区、舟山漁場、秦嶺等15の国家級生態機能保護区において、その生態機能の破壊を抑制し、基本的な管理・保護能力を形成すること。
2、省級。40ヵ所の省級生態機能保護区を建設し、これら地域の生態機能の継続的破壊を初歩的に抑制し、管理・保護能力を形成すること。
(二)生物多様性の保護事業
1、自然保護区の建設。国家級自然保護区を50ヵ所新規建設し、西南・西北・東北地区を重点とし、それら地区に初歩的な管理能力を身に付けさせること。既存の国家級自然保護区のインフラ施設を改善すること。既存の155ヵ所の国家級自然保護区に対する建設に注ぐ力を更に強め、比較的高い監督保護能力を形成すること。国際水準に近い国家級自然保護区モデル地区を20ヵ所建設する。
2、生物多様性と生物安全監督管理のキャパシティビルディング。6件の重点分野活動方案を編成し、生物多様性モニタリングネットワークを組織・建設し、生物多様性の評価を展開し、国家生物多様性データバンクと情報調和センターおよび情報交換所を立ち上げること。国家生物安全評価センター、重点実験室、全国生物技術と生物安全データバンクを設置し、生物安全追跡モニタリングシステムを構築し、監督管理能力を形成すること。
3、野生動植物の種の保護・繁殖センターおよび重要野生遺伝子資源保護区を15ヵ所建設すること。
4、重要湖沼と湖畔地帯の生態系とその機能回復。太湖、ティエン池、巣湖、洞庭湖、鄱陽湖、洪湖、白洋淀、青海湖と博斯騰湖で、湖畔地帯生態系とその機能の回復モデル事業を展開すること。
(三)農村の面源汚染規制事業
1、ワラの野焼き禁止と総合利用。20の重点省を選び、ワラの「機械還田」[8]モデル事業、ワラの「過腹還田」モデル事業、「秸稈気化」による新エネルギーへの転化技術モデル事業およびワラを繊維ボードに加工する技術のモデル事業を展開する。
2、規模化された家畜飼育による汚染を制御する。北京、上海、天津、重慶、石家荘、鄭州、広州、南京、杭州、昆明、成都、合肥、済南、青島、煙台、深セン、大連等17の都市の郊外にある区や県を重点とし、家畜の汚水処理モデル事業、家畜のし尿を資源化するモデル事業を立ち上げる。
3、病死した家畜およびその汚染物質による汚染をコントロールする。統一的計画と合理的配置の原則に基づき、一部重点大・中都市に病死した畜禽およびその汚染物質処理のモデル事業を立ち上げる。
4、化学肥料と農薬による汚染を防止する。北京・天津・塘沽地区、珠江デルタ地帯と長江デルタ地帯、太湖、ティエン池、巣湖、淮河(安徽、河南部分)を重点とし、農薬と化学肥料による環境汚染への追跡モニタリングシステムを構築し、汚染規制モデル地区を設置する。
(四)生態モデル地区の建設と管理事業
1、国家級生態モデル区管理システムの構築。国家級生態モデル区建設実験地での管理ネットワークと情報システムを立ち上げる。
2、生態モデル区での持続可能な発展キャパシティビルディングのモデル事業。エコ省の建設実験地と、検収・命名された国家級生態モデル区の計画更新、モニタリング、監督管理のキャパシティビルディング、環境と経済の調和ある発展のモデル事業建設を重点的に支持する。
3、生態モデル区の広報・啓蒙と科学技術サポート。広報・啓蒙および管理スタッフ・技術スタッフ・農民を対象とした科学技術研修を展開し、広報・普及の施設を改善し、科学技術機関への技術委託と新科学技術普及のメカニズムを構築すること。
(五)資源開発の生態保護と回復事業
1、鉱山生態環境の回復整備事業。旧来の鉱山を重点に選んで生態環境回復整備のモデル事業を行い、鉱山の毀損された土地に対し土地の再墾と植生の回復を行い、スラッグ・石くず・選鉱くず等に対し無公害化処理と資源化利用を行い、鉱山地域の汚水と排水に総合的な整備を行い、鉱山の開発がもたらした地滑りや地盤沈下等二次的な地質災害および土壌流失に対しモニタリングと整備を行い、必要な移民事業も実施する。
2、エコツーリズムモデル事業。人と自然の調和を指導方針とし、観光資源の合理的な開発、観光環境保全と観光管理保護の能力アップを重点とし、中部・西部地域に20ヵ所のエコツーリズムモデル地点を設立することを支持する。
(六)生態保護監督管理のキャパシティビルディング事業
1、インフラ建設。生態環境の現状調査を展開し、全国生態環境の現状データバンクを設置し、全国生態機能区画と生態保護計画を編成し、全国生態環境保全管理情報システムを立ち上げる。
2、生態保護監視コントロールのキャパシティビルディング。生態環境の予報警報モニタリング体系、気候災害モニタリング体系、重点地域の土壌モニタリングネットワーク、重点地域・流域の生態状況のリアルタイムによる監視コントロールシステムおよび重大な生態破壊事故に対応するための応急処理システムをそれぞれ構築する。
---------------------------------------------------------------
[1] 生態効果と経済効果の両方が図られる用材林。以下訳文では「兼用林」とする――訳注
[2] 農家の庭で野菜や果樹を栽培することで、増収を図ること――訳注
[3] 「過腹還田」とは、ワラ(藁)を牛や馬、ブタ等の家畜に餌として与えた後、それら家畜が排泄した糞や尿を土壌に撒くことを指す――訳注
[4] 「秸稈気化」とは、ワラ(藁)やおがくず、もみがら等を可燃ガスに転化させる、生物質熱解気化技術を指す。気化炉などの系列装置を利用し、ワラ・おがくず・もみがら等を気化し、CO、2H、メタン等の可燃ガスを生成する。その後ガス供給システム等を通じてガスを各世帯の家の中まで通せば、ガスコンロで米を炊くことができる。設備・施工・操作は全て簡単であり、適用範囲が広く、藁も大量に処理できるとあって、農村のワラ野焼き問題や農民の生活燃料供給問題を解決する上で注目されている技術である――訳注
[5] 土壌測定を通じて、残っている養分をチェックし、不足分だけを与える施肥方法。以下訳文では「測土施肥」とする――訳注
[6] 生活汚水に簡単な処理を施した後、パイプと灌漑システムを通じて農作物に灌漑を行うこと――訳注
[7] 「三緑工程」は、「菜藍子工程」の実施を踏まえた、中国の新しい食品流通政策である。その内容は「緑の通り道を拓き、緑の市場を育み、緑の消費を提唱する」に集約され、食品流通の効率化、環境への配慮、食品の質と安全性の向上などが強調されている。以下訳文では「三緑工程」とする――訳注
[8] 機械を使ってワラを自動的に粉砕し、それをそのまま田畑に撒くというもの――訳注
|