中華人民共和国国家発展改革委員会
中華人民共和国科学技術部
中華人民共和国外交部
令 第10号
中国政府のクリーン開発メカニズムプロジェクトに対する効果的な管理を強化し、クリーン開発メカニズムプロジェクトの秩序ある実施を保証するため、本「クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施に関する暫定管理規定」を策定し、公布する。本管理規定は2004年6月30日より施行する。
国家発展改革委員会主任:馬凱
科学技術部部長:徐冠華
外交部部長:李肇星
2004年5月31日
クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施に関する暫定管理規定
一、総則
第一条 わが国が批准した「国連気候変動枠組条約」(以下、「条約」と称す)および「京 都議定書」(以下「議定書」と称す)の規定および締約国会議の関連規定に基づき、中国政府のクリーン開発メカニズムプロジェクトの効果的な管理を強化し、中国の権益を保護し、クリーン開発メカニズムプロジェクトの秩序ある実施を保証するため、本管理規定を策定した。
第二条 「議定書」の規定によれば、クリーン開発メカニズムは先進国の締約国がその一部の温室効果ガスの削減義務を達成するために、発展途上国の締約国と協力してプロジェクトを実施するためのメカニズムであり、その目的は発展途上国の締約国の持続可能な発展の実現および「条約」の最終目標の実現を促進し、また、先進国の締約国が量的な抑制と温室効果ガスの削減の約束を果たすことを促進することにある。クリーン開発メカニズムの中心は先進国が発展途上国との間のプロジェクトレベルの協力を通じて、プロジェクトが産出する「認証された温室効果ガス削減量(CER)」を獲得することである。
第三条 中国においてクリーン開発メカニズムプロジェクトを実施するには、国務院の関係機関の許可を取得しなければならない。
第四条 中国におけるクリーン開発メカニズムプロジェクトの重点分野はエネルギー効率の向上、新エネルギーおよび再生可能エネルギーの開発と利用、またはメタンガスおよび石炭層ガスの回収・利用である。
第五条 締約国会議の関連した取り決めに基づくと、クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施は透明性、効率性および追跡可能な責任を確保しなければならない。
二、許可の条件
第六条 クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施は中国の法律・法規、中国の持続可能な発展戦略と政策、および国民経済と社会の発展計画に合致しなければならない。
第七条 クリーン開発メカニズムに関する協力プロジェクトの実施は「条約」、「議定書」および関連した締約国会議の取り決めと一致しなければならない。
第八条 クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施は中国に「条約」と「議定書」の規定以外のいかなる新たな義務を負わせてはならない。
第九条 先進国の締約国がクリーン開発メカニズムプロジェクトに用いた資金は現在の政府開発援助資金および「条約」の枠組み内で負うべき資金的義務より追加的なものでなければならない。
第十条 クリーン開発メカニズムプロジェクトの活動は環境技術の移転に寄与しなければならない。
第十一条 中国国内の中国資本企業、中国側持ち株企業は外国に対しクリーン開発メカニズムプロジェクトを実施することができる。
第十二条 クリーン開発メカニズムプロジェクトを実施する企業はクリーン開発メカニズムプロジェクトの設計書、企業の資格証明書およびプロジェクト工事の概況、資金調達状況に関する説明を提出しなければならない。
三、管理と実施機関
第十三条 国家気候変動対策調整グループの下に国家クリーン開発メカニズムプロジェクト審査理事会(以下、「プロジェクト審査理事会」と称す)を設け、その下に国家クリーン開発メカニズムプロジェクト管理機構を一つ設ける。
第十四条 国家気候変動対策調整グループはクリーン開発メカニズムに関する重要な政策の審査と調整機関である。その主な職責は次のとおりである。
1、クリーン開発メカニズムプロジェクトに関する国の政策、規定と基準を審査する。
2、プロジェクト審査理事会のメンバーを批准する。
3、その他調整グループにより定めるべき事項を審査する。
第十五条 プロジェクト審査理事会のグループリーダーは国家発展改革委員会、科学技術部、副グループリーダーは外交部、メンバーは国家環境保護総局、中国気象局、財政部および農業部である。主な職責は次のとおりである。
1、クリーン開発メカニズムプロジェクトの審査を行う。審査の主な内容は次のとおりである。
(1) 参加の資格
(2) 設計文書
(3) ベースラインの方法論および温室効果ガスの削減量を確定する。
(4) 取引可能な温室効果ガスの削減量の価格
(5) 資金および技術の譲渡条件
(6) 譲渡予定のクレジット期間
(7) モニタリング計画
(8) 持続可能な発展の促進効果の予測
2、国家気候変動対策調整グループに対して、クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施状況を報告し、実施過程における問題点および改善策を提案する。
3、国家クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施規定および手順を提案し、見直しを行う。
第十六条 国家発展改革委員会は中国政府におけるクリーン開発メカニズムプロジェクトの実施に関する担当機関であり、その主な職責は次のとおりである。
1、クリーン開発メカニズムプロジェクトの申請を受理する。
2、プロジェクト審査理事会の審査結果に基づき、科学技術部、外交部と共同でクリーン開発メカニズムプロジェクトの批准を行う。
3、中国政府を代表し、クリーン開発メカニズムプロジェクトの批准文書を発行する。
4、クリーン開発メカニズムプロジェクトに対し監督と管理を行う。
5、関係機関と協議し、クリーン開発メカニズムプロジェクトの管理機関を設立する。
6、その他外国との協力に関する事務を担当する。
第十七条 プロジェクト実施機関とは中国国内でクリーン開発メカニズムプロジェクトを実施する中国資本の企業、中国側持ち株企業を指す。これらの企業の義務は以下のとおりである。
1、クリーン開発メカニズムプロジェクトに関する外国との協議を実施する。
2、クリーン開発メカニズムプロジェクトの工事建設を実施し、定期的に国家発展改革委員会に対し工事の進捗状況を報告する。
3、国家発展改革委員会の監督の下でクリーン開発メカニズムプロジェクトを実施し、クリーン開発メカニズムプロジェクトの温室効果ガス削減量に関する自主モニタリング計画を策定し、実施する。それを持って温室効果ガスの削減量を実質的、測定可能、長期的、追加的なものにする。
4、国家発展改革委員会の指導の下で、指定運営機関による合格性の検査および削減量の確認を受けると同時に、必要な資料とモニタリング記録を提出し、国家発展改革委員会の記録に載せる。情報の交換において、法に従い国家秘密と正当な商業秘密が保持されなければならない。
5、国家発展改革委員会に対し、クリーン開発メカニズムプロジェクトより産出された認証された温室効果ガスの削減量(CER)を報告する。
6、国家発展改革委員会およびクリーン開発メカニズムプロジェクト審査理事会と協力し、関連した問題に関する調査を実施し、また、質問に対し回答する義務がある。
7、その他履行すべき義務を負う。
四、実施手順
第十八条 クリーン開発メカニズムプロジェクトの申請および許可手順は以下のとおりである。
1、中国国内においてクリーン開発メカニズムプロジェクトの実施を申請する中国資本の企業、中国側の持ち株企業、および外国側協力相手は国家発展改革委員会へ申請を出さなければならない。関係機関および地方政府は企業の申請をまとめて提出することができる。同時に第十二条に規定されたプロジェクト文書を提出する。
2、国家発展改革委員会は関係機関に委託し、専門家を組織して、申請されたプロジェクトに対する審査と評価を実施する。その期間は30日を超えてはいけない。
3、国家発展改革委員会は専門家による審査・評価で合格とされたプロジェクトを審査理事会へ提出し、その審査を受ける。
4、プロジェクト審査理事会によって審査され、合格とされたプロジェクトについて、国家発展改革委員会は科学技術部および外交部と共同で批准手続きを実施する。
5、国家発展改革委員会はプロジェクトの申請を受理して20日間(専門家による審査・評価期間を除く)以内に批准可否の決定を下さなければならない。20日間以内に決定することができない場合、その行政機関責任者の批准をとって10日間延長することができる。その場合、期間延長の理由を申請者へ通知する。
6、実施機関は指定運営機関に委託してプロジェクト設計書の独立評価を実施し、その評価により合格とされたプロジェクトをクリーン開発メカニズム理事会へ報告し、登録を申請する。
7、実施機関はクリーン開発メカニズム理事会の批准通知を受けとって10日間以内に国家発展改革委員会に対しその旨報告する。
第十九条 具体的な工事建設プロジェクトの審査批准の手順および審査批准の権限は国の関連規定に従う。
第二十条 クリーン開発メカニズムプロジェクトの実施、監督および審査手順は以下のとおりである。
1、実施機関は関連した規定に従い国家発展改革委員会および指定運営機関に対しプロジェクトの実施およびモニタリング報告書を提出する。
2、クリーン開発メカニズムプロジェクト実施の品質を確保するため、国家発展改革委員会はクリーン開発メカニズムプロジェクトの実施に対し、管理と監督を行う。
3、指定運営機関はクリーン開発メカニズムプロジェクトから産出された削減量について確認と証明を行い、認証された温室効果ガス削減量等の状況をクリーン開発メカニズム理事会へ報告する。その批准を受けた後、クリーン開発メカニズム理事会より認証された温室効果ガス削減量の登録と交付を行い、クリーン開発メカニズムプロジェクトの参加者へ通知する。
4、国家発展改革委員会またはその委託を受けた機関はクリーン開発メカニズム理事会により登録されたクリーン開発メカニズムプロジェクトから産出された認証された温室効果ガスの削減量の登録を行う。
五、その他
第二十一条 本規定の先進国締約国は「条約」付属書Iに規定された国を指す。
第二十二条 本規定のクリーン開発メカニズム理事会は「議定書」のもとでクリーン開発メカニズムプロジェクトを実施するために設置された管理機構である。
第二十三条 本規定の指定運営機関はクリーン開発メカニズム理事会により指定された審査認証機関を指す。
第二十四条 温室効果ガスの削減量の譲渡により獲得した収益は中国政府およびプロジェクトの実施機関である企業の所有に帰する。
第二十五条 本管理規定は国家発展改革委員会が科学技術部、外交部と共同で解釈の責任を負う。
第二十六条 本管理規定は2004年6月30日より施行する。
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