( 科技標準司 2006-08-14実施)
2006-08-14
一、総則
(一)根拠と目的
家庭用電気器具・電子製品の廃棄量の削減、資源再利用率の向上を図り、これら器具・製品の再利用及び処置過程における環境汚染を抑制するため、『中華人民共和国固形廃棄物環境汚染防止法』、『中華人民共和国クリーナープロダクション促進法』及び国の環境保全に関する法律、法規に基づき、本技術政策を制定する。
(二)適用範囲
本技術政策に言う家庭用電気器具とは家庭用電気器具及び類似用途の製品を指し、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、掃除機などを含む。電子製品とは情報技術(IT)及び通信製品、事務設備を指し、コンピューター、プリンター、ファックス、コピー、電話などを含む。
本技術政策は家庭用電気器具・電子製品の環境設計、廃棄製品の収集、輸送・貯蔵、再利用・処置の全過程における環境汚染防止に適用され、廃棄家電と電子製品の再利用・処置施設に関する計画、立案、設計、建設、運営、管理に技術的な指導を提供し、関連産業の発展を導くものである。
(三)定義
1、廃棄家電・電子製品:使用価値を既に失った、または使用価値が要件を満たすことができないために捨てられた家庭用電気器具・電子製品、及びその素子・部品と消耗材を指し、以下の内容が含まれる。
(1)消費者(ユーザー)が廃棄する家庭用電気器具・電子製品
(2)生産過程で発生する不合格製品及びその素子・部品
(3)修理、メンテナンス過程で廃棄される素子・部品及び消耗材
(4)関連法律・法規によって、電子廃棄物とみなされるもの
2、有毒・有害物質:家庭用電気器具・電子製品に含まれる鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)及び国が規定するその他有毒・有害物質を指す。
3、生産者:家庭用電気器具・電子製品または素子・部品などのブランド(商標)の所有者を指し、以下が含まれる。
(1)自らのブランド(商標)を使用し、家庭用電気器具・電子製品または素子・部品の製造、販売を手掛ける者。
(2)自らのブランド(商標)を使用し、その他サプライヤーが生産する家庭用電気器具・電子製品または素子・部品を転売する者。
(3)家庭用電気器具・電子製品輸入業者。
4、再使用:廃棄家電・電子製品またはそれに含まれる素子・部品について、簡単な補修を行なった後、元の用途に使うあらゆる行為を指すが、不用・中古家庭用電気器具・電子製品を他者が直接再使用する場合はこれに含まれない。
5、再利用:廃棄家電・電子製品または廃棄材料に対する再加工を指し、加工後の材料の用途は以前と同じでも、異なっていてもよい。但し、廃棄材料の直接焼却による熱エネルギーの回収はこれに含まれない。
6、処理:廃棄家電・電子製品に対する汚染の除去、分解、粉砕、再利用といった活動を指す。
7、処置:廃棄家電・電子製品の処理後に生じる、さらなる再使用、再利用が不可能な残余物について、焼却、埋立、その他の方式により、容量の削減、危険性の除去などを図る活動を指す。
(四)指導理念
1、「三化」原則の推進
(1)減量化:家庭用電気器具・電子製品の環境配慮型設計を通じて、製品中の有毒・有害物質、材料の使用削減、製品の使用寿命の延長、製品の再利用に関する特性の改善を図り、これによって、電子廃棄物の発生量と危害性を減らす。
(2)資源化:家庭用電気器具・電子製品及びその素子・部品などの再使用・再利用を通じて、廃棄家電・電子製品の再利用率を高める。
(3)無害化:先進的かつ適用可能な処理・処置技術の採用を通じて、廃棄家電・電子製品の再利用及び処理・処置過程における環境汚染を抑制する。
2、汚染者負担原則の実行
国は廃棄家電・電子製品による環境汚染の防止について、汚染者負担原則を実行する。
家庭用電気器具・電子製品の生産者(輸入者を含む)、販売者、消費者は自身が出す廃棄家電・電子製品について、法に従って、汚染防止の責任を負う。
(五)目標
1、国は製品での使用を禁止、制限する有毒・有害物質リストを適時公布、更新し、製品市場参入許可制度を実施し、環境配慮型製品の政府グリーン購入政策を推進し、発生源から製品中の有毒・有害物質の使用の減少、抑制を図る。
2、相対的に整備された廃棄家電・電子製品回収体系の確立、回収・再利用に有利なプランの採用を図り、廃棄家電・電子製品の無害化回収率・再利用率を徐々に高める。
3、廃棄家電・電子製品の再利用過程における環境に影響を及ぼす行為について規範化を図り、汚染物質の排出を抑制する。再利用の過程で生じる危険廃棄物を危険廃棄物処置体系に組み込み、安全無害処置を基本的に達成する。
(六)大衆参加
大衆に対する環境広報・啓発を展開し、大衆の環境保全及び資源節約に対する意識を高め、生産者、販売者、消費者、再利用者ら各関係者の廃棄家電・電子製品の回収・再利用に対する積極性を引き出す措置を講じる。
二、環境配慮型設計
(一)有毒・有害物質の使用削減
1、家庭用電気器具・電子製品での有毒・有害物質の不使用または使用削減、安全で毒性がない、または毒性が低い代替物質の開発、使用を奨励する。
2、国は家庭用電気器具・電子製品の種類に基づき、時期を区切って、有毒・有害物質の使用を段階的に制限、禁止する。
(二)製品の使用寿命の延長
モジュール化設計の採用を通じて、素子と部品の寿命を織り込んだ設計、補修及びバージョンアップが容易な設計などを行い、製品の使用寿命の延長を図ることを奨励する。
(三)製品の再使用・再利用特性の向上
生産者は特殊な設計または加工工程によって、製品が廃棄された後の再使用を故意に妨げてはならない。但し、当該設計または加工工程が環境保全及び安全に関する要件に対してより一層有利な場合はこの限りではない。
使用材料の種類削減、より多くの回収・利用が容易な材料の使用、国際的に通用している表示基準の部品(材料)への採用、廃棄製品の分解に有利な設計及び工程の採用などによる、廃棄製品の再利用率の向上を奨励する。
(四)製品部品の互換性の向上
標準化を通じて、製品の汎用部品について、異なるブランドまたは同一ブランドの異なる規格間における互換性を実現する。
(五)包装材料の合理的な使用
回収・再利用が容易な、または処理が容易な包装材料を採用し、包装材料の回収・再利用率を高め、過剰包装を制限し、廃棄包装材料の発生量の削減を図る。
三、有毒・有害物質の情報表示
(一)有毒・有害物質の使用が完全に禁止されるまで、有毒・有害物質の情報表示制度を逐次推進する。
生産者は製品の素子・部品上に、国際的に通用する基準、または国の関連情報表示基準に基づき、製品中に含まれる有毒・有害物質の名称またはコードを明記すること。体積または機能上の制限により、製品上に明記することができない場合、説明書に注記しなければならない。
(二)生産者は家庭用電気器具・電子製品の再使用者及び処理・処置者に対して、関連資料及び情報、特に有毒・有害物質を含む素子の名称と素子の取り付け部位などの情報を提供しなければならない。
四、収集、輸送、貯蔵
(一)さまざまな関係者が関与する、異なる種類、異なる出所に合った廃棄家電・電子製品回収体系の確立を奨励する。回収体系の確立には、政府機関、企業・事業所、家庭それぞれの廃棄家電・電子製品の回収に関する異なる特徴を考慮しなければならない。
(二)国は業界団体など非政府組織が廃棄家電・電子製品情報システムを確立し、廃棄製品の回収に関する情報サービスを提供することを奨励する。
(三)廃棄家電・電子製品の回収については、費用の支払い、相互交換、無償取引などの市場手段の採用が可能であり、消費者(ユーザー)が廃棄製品を指定の回収拠点に引き渡すこと、または回収者に訪問収集を申し込むことを奨励する。
(四)回収者は収集した廃棄家電・電子製品を関連資格を有する企業に送り、専業化、無害化による集中処理・処置を行なわなければならない。
(五)廃棄家電・電子製品の輸送過程において、一部の破損し易い製品や部品のかけら、有毒・有害物質が漏れないよう、適切な包装措置を講じなければならない。
(六)廃棄家電・電子製品の貯蔵については、専門の保存場所を使用し、地面(床面)に滲出防止処理を施し、雨を防ぐカバーを設けなければならない。
五、再使用
国は廃棄家電・電子製品の再使用を奨励する。但し、以下の基本要件に従うこと。
1、廃棄家電・電子製品の再使用を手掛ける製造業者は必要な汚染防止施設を備えていなければならず、かつ再使用の過程において、必要な汚染防止措置を採らなければならない。
2.家庭用電気器具・電子製品の再使用において、破壊的な操作を採用し、大量の廃素子・部品の発生、または一部有毒・有害物質の放出を招いてはならない。
六、処理・処置
(一)処理・処置工場に関する要件
1、処理・処置工場の場所選定は国と地方の関連計画要件に合致していなければならない。処理・処置工場を自然保護区、風景名勝区、生活飲用水源保護区、人口が密集する居住区、及びその他の特殊な保護が必要な地区に設けてはならない。
2、廃棄製品中の有毒・有害物質を含む素子・部品の粉砕、選別はいずれも密閉施設の中で行い、発生する廃ガス、粉塵は収集・浄化し、基準達成後、排出すること。
3、処理・処置工場には廃液収集設備・容器を設置し、作業場の地面(床面)には滲出防止処理を施し、廃水をきれいに洗い流して、前処理を行い、基準達成後、排出すること。
4、処理・処置過程で発生する残滓、及び廃水処理過程で発生する汚泥については、危険廃棄物識別基準(GB5085.1-3-1996)に基づき、危険特性の識別を行なうこと。危険廃棄物に属する場合、危険廃棄物として処置し、生活ゴミに混入してはならない。
(二)分解
1、廃棄家電・電子製品について、補修またはバージョンアップによる再使用が不可能な場合、手作業または機械を使って分解し、分別処理すること。
分解後の使用価値を持つ素子・部品については、まず再使用を考慮しなければならない。再使用が不可能な素子・部品などについては、専門の再利用工場に送り、これら素子・部品に含まれる金属、ガラス、プラスチックなどの材料を回収・利用すること。
2、以下の物質を含む素子・部品は単独で取り外し、分別収集すること。
(1)ディスプレイ、テレビの陰極線管(CRT)
(2)表面積が100cm2を上回る液晶ディスプレイ(LCD)及び気体放電ランプ
(3)表面積が10cm2を上回るプリント基板
(4)ポリ臭化ビフェニールまたはポリ臭素化ジフェニルエーテルといった難燃剤を含むプラスチックの電線・ケーブル、機械フレームなど
(5)ポリ塩化ビフェニール(PCBs)を含むコンデンサー及び水銀を含む部品
(6)ニッケルカドミウム充電池、リチウム電池など
(7)廃冷蔵庫、エアコン及びその他冷媒装置のコンプレッサー中の冷媒剤と潤滑油
(三)危険物質を含む部品の処理
1、陰極線管(CRT)
(1)カラー陰極線管の鉛を含むガラスチューブは鉛を含まないガラスパネルとは分別して収集すること。鉛を含むガラスチューブは陰極線管のガラスバルブ製造工場の製造原料とする、またはその他の方式で再利用、安全処置を行なう。
(2)ガラスパネル上の蛍光パウダーを含むコーティング層は乾式または湿式の2種類の工程を採用して取り除く。
①乾式工程を採用してガラスパネル上の蛍光パウダーコーティング層を取り除く場合、粉塵抽出・濾過装置を取り付け、蛍光パウダーを適切に収集すること。
②湿式工程を採用してガラスパネル上の蛍光パウダーコーティング層を取り除く場合、発生する洗浄廃水について、処理を経て、基準達成後に排出すること。蛍光パウダーを含む汚泥は無害化処置を行なうこと。
2、液晶ディスプレイ(LCD)
(1)携帯型パソコン及びその他の表面積が100cm2を上回る液晶ディスプレイは非破壊的な方式によって分離し、液晶パネル(それが覆っている液晶が漏れてはならない)、バックライトモジュール、駆動集積回路を取り外すこと。
(2)液晶物質の無害化処理については、加熱による析出、触媒による分解技術を採用する。
(3)バックライトモジュールから取り外した冷陰極蛍光ランプ(CCFL)は専門の水銀回収工場に送って水銀を回収する、またはその他の水銀を含む蛍光灯管と共に危険廃棄物として処置する。
3、回路基板
(1)錫・鉛はんだめっき材料を加熱・溶解し、回路基板から素子・部品を取り外す場合、換気カバーを使用し、はんだめっき材料の溶解時に発生する鉛煙(塵)を吸い込むようにし、処理基準達成後、排出すること。
(2)回路基板から取り外したチップ、金を含むコネクター及びその他の貴金属を含む廃棄物は溶解、酸性洗浄、電解、精製などの方法で、それに含まれる金、銀、パラジウムなどの貴金属を回収すること。回収処理装置は相応の環境保全設備を備えていなければならない。
環境保全措置を講じていない簡単な酸浸漬工程によって金、銀、パラジウムなどの貴金属を抽出すること、酸性廃液や残滓をむやみにたれ流すことを禁止する。
(3)回路基板から取り外したポリ塩化ビフェニール(PCBs)を含むコンデンサーなどの危険廃棄物は危険廃棄物処置工場に送り、処置しなければならない。
(4)チップ、コンデンサー及びその他の素子を取り外された回路基板については、粉砕、選別といった方法によって、銅、ガラス繊維、樹脂を回収する。粉砕は密閉した施設内で行い、相応の粉塵処理装置を配備しなければならない。
4、ポリ臭化ビフェニールまたはポリ臭素化ジフェニルエーテルといった難燃剤を含む電線・ケーブル、プラスチック機械フレーム
(1)ポリ臭化ビフェニール(PBB)及びポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)を含む電線・ケーブル、プラスチック機械フレームは、その他の一般的な電線・ケーブルやプラスチックとは分別して収集する。
(2)ポリ臭化ビフェニール(PBB)及びポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)を含む電線・ケーブル中の銅、アルミニウムなどの金属の回収は物理的な方法を採用すべきであり、かつ粉砕・選別工程は密閉した施設内で行い、分離した電線・ケーブルの被覆材料は無害化処置を行なうこと。
露天、または環境保全措置を講じていない簡単な焼却炉における電線・ケーブルの焼却による銅、アルミニウムなどの金属の回収を禁止する。
(3)ポリ臭化ビフェニール(PBB)及びポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)を含むプラスチック機械フレームについては、無害化処置を行なうこと。
5、電池
廃棄家電・電子製品から分解した各種電池(蓄電池、充電池、ボタン電池)の処理・処置は、『廃電池汚染防止技術政策』及び関連規定、基準要件に従うこと。
(四)処置
1、廃棄家電・電子製品の再利用率の向上、資源の節約を図るために、経済的に理に適っており、技術的に実行可能な状況下において、再使用と再利用を優先的に考慮し、その後に焼却または埋立処置を考慮すること。
2、陰極線管を含むコンピューターディスプレイとテレビを生活ゴミ埋立場及び生活ゴミ焼却工場に直接持ち込み、処置することを禁止する。
3、廃棄家電・電子製品の処理過程で発生する各種危険廃棄物または残余物は焼却、埋立或いはその他の適当な方式によって処置し、廃水、廃ガスの排出については、関連の環境保全基準要件を満たさなければならない。
七、開発を奨励する技術及び設備
(一)錫/鉛はんだめっきに代わる生産工程、臭素を含む難燃剤に代わる技術などの研究・開発を奨励する。
(二)陰極線管及び液晶ディスプレイの分解、再利用、処置に関する一連の技術及び設備の研究・開発を奨励する。
(三)各種廃棄家電・電子製品の粉砕、選別及び無害化処置に関する技術・設備の研究・開発を奨励する。
(四)家庭用電気器具・電子製品の無害化または低害化を図るための生産原材料及び生産技術の開発、利用を奨励する。
(五)冷蔵庫、エアコン中のCFCs冷媒剤及び発泡剤をめぐる代替技術の普及・応用、オゾン層破壊ゼロ、低温室効果、高い効力を備えたCFCs代替物質の採用を奨励する。
(六)廃棄冷蔵庫、エアコン及びその他冷媒装置のコンプレッサー中のCFCs冷媒剤の回収技術と設備の研究・開発を奨励する。
八、奨励的な政策、法規、基準
(一)国は製品での使用を禁止、制限する有毒・有害物質リストを制定し、一定の数、一定の時期に分けて、有毒・有害物質を含む家庭用電気器具・電子製品の販売を禁止する。
(二)国は政府グリーン購入政策及び関連購入基準の確立・整備を図り、環境に配慮した製品を優先的に購入し、家庭用電気器具・電子製品の生産がグリーン化の方向へ発展していくよう導く。
政府は段階的に、逐次推進していくという方式を採用し、家庭用電気器具・電子製品のグリーン購入政策を実施する。具体的な実施段階は以下の通り。
――優先購入段階:グリーン購入基準に合致する家庭用電気器具・電子製品を分類し、優先的に購入する。
――購入禁止段階:グリーン購入基準に合致しない家庭用電気器具・電子製品を分類し、購入を禁止する。
(三)政府は関連技術法規、基準の研究・制定を強化し、廃棄製品の分解、再利用、処置をめぐる環境保全技術規範、製品中の有毒・有害物質含有量の制限値などの基準を制定する。
(四)国は廃棄家電・電子製品の汚染防止に関する技術基準体系の研究、製品のエコ設計基準、再使用製品の基準、製品または部品の回収・利用に関する表示基準、回収・利用率及び再利用率の計算基準の制定などを行なう。
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