コラム

2009年12月18日、国務院の温家宝総理はデンマーク・コペンハーゲンで開かれた気候変動サミットで、『コンセンサスを固め、協力を強化し、気候変動への対応の歴史的プロセスを推進する』と題する重要なスピートを発表し、その中で、気候変動は現在、地球全体が直面している重大なチャレンジであり、温暖化を抑制し、地球という故郷を救うことは全人類の共通の使命であり、各国、各民族、各企業、各個人のいずれもその責任逃れをせずに行動しなければならない、と指摘した。
  中国は発展の過程で、気候変動問題を非常に重視しており、中国人民と全人類の長期的な発展という根本的な利益を起点として、気候変動への対応に向けて、絶えず努力し、積極的に貢献してきた。中国は発展途上国の中で、最も早く『気候変動の対応に関する国家プラン』を制定、実施した国であり、エネルギー節約法、再生可能エネルギー法、循環経済促進法、クリーナープロダクション促進法、森林法、草原法、民間建築物省エネ条例など、一連の法律・法規を相前後して制定、改正し、法律・法規を、気候変動への対応における重要な手段とした。中国は近年、省エネ・排出削減の度合いが最も大きい国となっており、税収制度を絶えず改善し、資源性製品の価格改革を積極的に推進し、市場の需給関係、資源の不足度、環境の損害コストを十分に反映することができる価格形成メカニズムの構築を急いでいる。十大重点省エネ事業および企業1000社の省エネ計画を全面的に実施し、工業、交通、建築などの重点分野で、省エネ行動を展開している。循環経済のモデルケースをさらに踏み込んだ形で推進し、省エネ・環境配慮型自動車の普及に力を入れ、省エネ製品恩恵事業を実施した。エネルギーの消費量が多く、汚染度が高い後れた生産能力の淘汰を推進した。中国は新エネルギーと再生可能エネルギーの成長速度が最も速い国であり、生態系の保護を踏まえて、水力発電の秩序ある発展、原子力発電の積極的な発展を図り、農村、辺境地域および条件が適した地域がバイオマスエネルギー、太陽エネルギー、地熱、風力エネルギーなど新しいタイプの再生可能エネルギーの開発に力を入れることを奨励、支援している。中国は世界で人工造林面積が最も大きい国であり、退耕還林と植樹造林の大規模展開を続け、森林のカーボンシンクの増加に力を入れている。
  温家宝総理は同サミットにおいて、中国政府による温室効果ガスの排出削減目標の確定は国情に基づいて行った自主的な行動であり、中国人民と全人類に対して責任を負う物であり、いかなる条件も付加せず、いかなる国の排出削減目標にもリンクしない、と厳かに誓った。

中国における環境保護の新たな道

  2009年、中国における環境保護活動は「生態(エコ)文明の構築推進に努め、中国における環境保護の新たな道を積極的に模索する」というテーマに沿って、認識の深化、自発的な実践が図られ、多くの成果が得られた。
生態(エコ)文明は中国共産党が科学的発展観によって指導し、経済が急成長する中での過大な資源・環境という代価という厳しい現実に立脚して提起した重大な戦略構想である。中国共産党第17回全国代表大会(十七大)で初めて、生態(エコ)文明の構築が一つの戦略的任務として明確に示され、中国共産党第17期中央委員会第4回全体会議(十七期四中全会)において、それはさらに経済、政治、文化、社会建設に並ぶ戦略的な高みまで引き上げられ、中国の特色ある社会主義をめぐる偉大な事業の全体構造の構成部分となった。
  中国における環境保護の新たな道の模索は、勇敢に革新、変革を行い、永遠に硬化、停滞することのない、新たな経験、新たな成果を絶えず獲得していく過程である。環境と経済の融合を堅持し、発展方式の転換と経済構造の調整の推進に力を入れる必要がある。環境保護をよりいっそう重要な戦略的位置に置くことを堅持し、歴史的転換の推進を加速する。民のための環境保護という根本理念を堅持し、民生にかかわる、際立った環境問題を確実に解決する。人と自然の調和の取れた共存を堅持し、河川・湖を休ませる。体制メカニズムの革新を堅持し、社会全体の環境保護に向けた強大な合成力をできるだけ早く形成する。全局と局部の関係を正確に処理し、中国の基本的な国情に適した環境保護をめぐるマクロ戦略体系を制定する。予防と抑制の関係を正確に処理し、全体的な防止・全体的な抑制という防止体系を構築する。コストと効果の関係を正確に処理し、高効率の環境整備体系の健全化を打ち立てる。インセンティブと制約の関係を正確に処理し、経済発展とのバランスが取れた環境法規政策の基準体系を整備する。

第1回全国汚染源全面調査

  2006年10月12日、国務院は2008年初に、第1回全国汚染源全面調査を展開することを決定した。全面調査の時点は2007年12月31日、資料の時期は2007年度とし、全面調査対象は中国国内のすべての汚染物質を排出する工業源、農業源、生活源、集中式汚染対策施設とした。
  全国汚染源全面調査は一つの重大な国情調査である。温家宝総理は全面調査の初期に、重要な指示を発し、詳細な計画を立て、各方面の活動を真摯かつ確実に行うよう求めた。国務院は国務院の副総理をグループ長とし、10部門の指導者をメンバーとして、国務院第1回全国汚染源全面調査指導グループを設立した。2007年10月、国務院は『全国汚染源全面調査条例』を公布し、これによって、全国汚染源全面調査活動に従うべき法律が備わり、法による行政が可能となった。2007年5月、国務院弁公庁は全面調査活動を指導する行動綱領として、『第1回全国汚染源全面調査案』を印刷・配布した。
  3年来、「全国で一元的な指導を行い、部門による分業・協力を図り、地方がレベル別に責任を負い、各方面が共に参加する」という原則に基づき、各地域、各関係部門が『全国汚染源全面調査条例』と『第1回全国汚染源全面調査案』を真摯に実施し、段階別に全面調査の各活動を行った。
  全面調査を通じて、592万余りの汚染源データバンクが構築され、各種汚染源と環境に関する11億にも上る一次データが得られ、『第1回全国汚染源全面調査案』に定める任務を完了した。

中国の環境マクロ戦略の研究

  中国の環境マクロ戦略の研究は2007年5月に始まり、中国工程院と環境保護部の共同手配の下、2年余りの時を経て、既に所期の研究任務を完了した。戦略研究のニーズに基づき、それぞれの環境分野と要素を区別し、戦略の研究をめぐり、4つの課題グループと29のテーマグループを設けて、7省(自治区、直轄市)の地方の環境戦略の研究を開始した。広い代表性と高い水準を備えた研究チームを形成し、50人余りの院士、600人余りの有識者が戦略研究活動に参加した。その分野は環境保護、経済、社会、貿易、法律、エネルギー、外交など多岐にわたった。
  「過去を総括し、今を導き、未来を計画する」という指導理念に基づき、プロジェクトでは、環境保護分野の重大問題をめぐり、踏み込んだ研究が行われ、研究討論・論証が繰り返し図られ、各方面の意見が広く集められた。これによって、豊かな成果が得られ、プロジェクトの総合報告、成果要点報告、4つの課題グループの総括報告および29のテーマ報告、7省(自治区、直轄市)の環境戦略研究報告など多くの研究成果が形成された。
  2009年7月21日、環境マクロ戦略座談会が中国工程院で開かれ、中国共産党中央政治局常務委員で、李克強国務院副総理が座談会に出席するとともに、重要なスピーチを行った。李克強副総理は環境マクロ戦略の研究について提起された中国における環境保護の新たな道路の模索を是認した。

水体汚染の抑制と対策をめぐる科学技術の重大特定プロジェクト

  2009年は水体汚染の抑制と対策をめぐる科学技術の重大特定プロジェクト(以下、「水特定プロジェクト」という)が、実施案の策定段階から、全面的な実施に向かった要の年だった。特定プロジェクト指導グループの統一的な指導の下、環境保護部は住房・城郷(=住宅・都市・農村)建設部と密接に協力して、特定プロジェクトの実施活動を全力で推進した。
  2009年2月19日、指導グループが北京で、水特定プロジェクトキックオフ会の招集し、特定プロジェクトのキックオフに関する活動を全面的に手配した。4月、環境保護部は住房・城郷(=住宅・都市・農村)建設部と共同で文書を発し、各関係部門に対して、組織的な指導を強化し、責任・分業を明確にして、モデル事業、関連経費などの保障条件の徹底を図り、2008年のプロジェクト(課題)の実施を加速推進するよう求めた。9~10月、環境保護部は住房・城郷(=住宅・都市・農村)建設部と共に主な指導・牽引役として、指導グループのメンバー部門を組織して、重点流域プロジェクト(課題)に対する実施状況の調査・研究を手配し、関連条件や組織の管理の徹底が図られていないなど、実際の問題に焦点を合わせて、関係地方政府と逐一意思の疎通を図り、各関連保障条件の徹底を強力に推進した。2009年12月28日、北京で、「水特定プロジェクト「第12次5ヵ年計画」実施計画策定キックオフ会・地方の科学技術の需要に関する座談会議」を招集した。会議は、水特定プロジェクトの「第11次5ヵ年計画」期の経験と存在する不足点について、分析・総括を行い、水特定プロジェクトの「第12次5ヵ年計画」の実施に向けた全体的な実施構想を明確に示し、水特定プロジェクトの「第12次5ヵ年計画」実施計画の策定など、2010年の重点活動を手配した。
  水特定プロジェクトのキックオフ会以降、各項目と課題の担当部門が任務をめぐる難題に全面的に取り組み、現場に、活動ステーションと中間試験・研究基地を設けた。モデル事業、関連事業、関連経費は基本的に実施に移され、流域の水質汚染防止計画と重大汚染対策事業が確実にかみ合った。モデル事業は既に設計・建設段階に入っており、段階的な研究任務とカギとなる技術の研究開発を基本的に完了した。

環境経済政策の主な進展

  2009年、国はグリーン融資、グリーン保険、グリーン貿易、グリーン税制など、一連の環境経済政策の実施と深化を引き続き推進し、国のマクロ調整・制御手段をさらに豊かにし、経済成長による環境代価の軽減を図った。
  グリーン融資が引き続き深化した。環境保護部は人民銀行と共同で、『グリーン融資政策のさらなる情報共有活動の整備の全面的な実施徹底に関する通知』を印刷・配布した。情報交流の範囲と伝達方式にさらなる規範化を図った。環境保護部は中国銀行業監督管理委員会に、2009年の更新情報を提供した。目下のところ、既に4万本余りの環境保護情報が人民銀行の信用情報収集管理システムにインプットされている。商業銀行は根据これらの情報に基づき、環境違法企業に対して、融資の制限、融資の停止、融資の回収などの措置を講じ、企業の汚染対策、環境保護を促進した。
  グリーン保険が着実に推進された。2009年、環境保護部と中国保険監督管理委員会の指導の下、9省・直轄市で全省または一部地域におけるモデル活動が既に展開された。10社余りの保険企業が環境汚染責任保険製品を打ち出した。河北省、瀋陽市、上海市は地方の環境保護立法の中に、環境汚染責任保険条項を組み込んだ。湖南省人民政府と昆明市人民政府は環境汚染責任保険の推進に関する意見を公布した。株洲市は環境汚染責任保険に加入する企業の保険料の50%を、その年の「汚染物質排出費(汚染負荷量賦課金)」の中から相殺し、企業の保険加入に対する意欲を最大限促した。
  「双高(高汚染、高環境リスク)」製品リストを打ち出し、環境経済政策の基礎を固めた。2009年、環境保護部は290種余りの製品を含む『「高汚染、高環境リスク」製品リスト(2009年)』(「双高製品リスト」という)を公布した。財政部と商務部はリストに基づき、輸出税金還付政策、加工貿易政策を調整、これら製品の輸出の抑制、環境圧力の軽減に重要な役割を果たした。国家安全生産監督管理総局と中国銀行業監督管理委員会は「双高」製品リストを特に転送した。
  グリーン税制政策が徐々に整備された。2009年、財政部、国家税務総局、環境保護部は環境税の制定・徴収に向けたプランを引き続き検討した。『環境保護、省エネ・節水プロジェクト企業所得税優遇項目(試行)』を打ち出し、企業が条件に合致する公共汚水処理、公共ごみ処理、メタンガス総合開発利用、省エネ・排出削減に向けた技術改造、海水の淡水化の5種類の環境保護プロジェクトに従事する場合の所得に対する税制優遇政策を打ち出した。

都市の市政公共インフラの整備

  都市の造園緑化 2009年末、都市の既成市街地の緑化被覆面積は149.4万haで、既成市街地の緑化被覆率は前年の37.4%から38.2%まで上昇した。既成市街地の造園緑地面積は133.7万haで、既成市街地の緑地率は前年の33.3%から34.1%まで上昇した。全国の都市の公園緑地面積は40.1万ha、1人当たりの公園緑地面積は10.65㎡で、前年に比べて 0.94㎡増加した。
  都市の外観・環境衛生 2009年通年の道路の清掃面積は44.6億㎡、都市の生活ごみの専用運搬車による輸送量は1.56億t、糞便の専用運搬車による輸送量は0.21億tだった。生活ごみの無害化処理場562ヵ所が設けられ、無害化処理能力は34.7万t/日、無害化処理量は1.12億t、無害化処理率は71.6%にそれぞれ達した。公衆便所は118430ヵ所で、都市の環境衛生専用車両設備総数は83701台に上った。

第4回国家環境・健康フォーラム

  2009年9月17日、環境保護部と衛生部は広州で、「第4回国家環境・健康フォーラム」を共催した。
  今回のフォーラムは「環境・健康に関心をはらい、和諧社会(調和の取れた社会)を共に構築しよう」をテーマとして開催され、参加した代表らは中国における環境・健康問題の重要性、緊迫性、挑戦性について、コンセンサスを達成し、部門間の協調を確実に強化し、各部門の優位性を十分に発揮し、力を合わせて協力し、資源を共有し、立法、政策、執行面で、実際的かつ有効な措置を段階的に順序良く講じて初めて、環境・健康分野の活動で実質的な成果を得ることができるという認識を示した。
  今回のフォーラムには、科学技術部、国土資源部、交通運輸部、商務部、安全監督・管理総局、中国気象局、中医薬管理局など、国務院の関係部・委員会が代表を派遣、活動の進捗状況について十分に話し合い、活動経験の交流を図り、部門間協力を強化し、『国家環境・健康行動計画』を共に推し進め、徹底を図るために、良好な基盤を固めた。
  参加者は「環境・健康推進活動の科学的な発展」と「環境・健康活動をめぐる法整備の強化」という2つの主要議題をめぐり、国の環境・健康分野の活動が直面する情勢、具体的な任務、優先分野、未来に採るべき行動、多部門の調整作業メカニズムなどの問題について、全面的かつ踏み込んだ研究討論を行い、その内容は環境・健康をめぐる体制メカニズム、立法基準、情報共有、基礎研究、啓発・広報など多岐に及んだ。

建設プロジェクトの環境影響評価の審査・許可

  中央政府の経済の着実かつ比較的速い発展の促進に関する一連の手配の実施徹底を図るため、環境保護部は環境保護に関する法律・基準に厳格に基づき、受付・取扱期間の短縮、レベル別審査、分類評価などの方式によって、中央の政策要件と環境保護に関する参入規定に合致しているプロジェクトについて、環境影響評価の審査・許可手続きのスピードアップを図った。
  2009年、環境保護部は正式に文書を発して、プロジェクトの環境影響評価報告書文書400部(核・放射プロジェクトを含まない)について、回答を示した。これらプロジェクトの総投資額は2.7兆元に上る。要件に合致しない49件のプロジェクト(総投資額1900億元余り)について、報告書を差し戻し、認可しない、または審査・許可をしばらく見合わせるなどの決定を下した。環境影響評価の法律、規則違反問題が特に際立っていた金沙江中流の水力発電開発、華能集団、華電集団および山東省の製鉄業の建設プロジェクトについては、環境影響評価の審査・許可を一時停止するとともに、違法プロジェクトの建設停止を命じた。289件のプロジェクトの環境保護に関する竣工検収の審査・許可手続きを完了、環境保護督査(=監督・検査)センターまたは地方の環境保護部門に59件のプロジェクトに対する検収・現場検査を委託した。「三同時(投資プロジェクトの実施と同時に、環境汚染防止施設を計画、建設、操業すること――訳注)」および環境保護に関する検収規則に対する違反行為が存在する建設プロジェクト15件について、期限を切って是正を命じた。検収済みの建設プロジェクトは毎年、二酸化硫黄量の排出量を約49.8万t、化学的酸素要求量(COD)の排出量を約12万tそれぞれ削減することができる。

環境モニタリング品質管理3年行動計画

  2009年、環境保護部は『環境モニタリング品質管理3年行動計画(2009~2011年)』(以下、『計画』という)を制定するとともに、印刷・配布した。
  2009年9~11月、環境保護部は検査グループを設立し、山西、遼寧、吉林、上海、江蘇、浙江、安徽、福建、河南、広東、重慶、四川、雲南、陝西の14省、直轄市の環境保護庁(局)に対して、『計画』の実施徹底状況に関する検査をそれぞれ行い、各レベルの環境保護部門の『計画』に対する重視を促した。各地がぞくぞくと行動を起こし、実施案の制定、組織的な指導の強化、『計画』の広報の強化を図り、有効な措置を講じ、管轄区内の環境モニタリング品質管理活動の検査をよりいっそう踏み込んだ形で展開し、省、市、県がレベル別に責任を負い、一斉に取り組み共に管理し、一レベルごとに指導を強化し、各レベルで実施徹底を図るという良好な局面が形成され、環境モニタリング品質管理活動の標準化、規範化、制度化、科学化が推進された。

化学品の管理

  化学品の審査・許可 2009年9月、環境保護部は『有毒化学品輸出入環境管理登記活動の強化に関する通知』を発し、有毒化学品の輸出入環境管理の審査・許可に関する手順を整備した。2009年に、『有毒化学品輸入環境管理登記証』220部を審査した上で発行、内訳は新規の登記証198部、登記証の追加18部、登記証の変更4部だった。有毒化学品輸入環境管理通過通知書3888部、輸出環境管理通過通知書5350部を発行、これら通知書の内容は46種の物質、452社の国内外の企業・事業所に及んだ。認可された輸入総量は1707220.7tで、前年に比べて132.6%増加。認可された輸出総量は277777.5tで、前年に比べて61.6%増え、輸出入総量は全体的に上昇傾向を呈した。欧州連合(EU)、英国などの国の輸出通知100部に対して回答を示した。101種の新規化学物質の登記と3818種の新規化学物質の届出免除の申請を認可したほか、76種の化学物質を『中国既存化学物質リスト』に組み込むことを認可した。
  残留性有機汚染物質(POPs)調査 2009年、環境保護部は2006~2008年における全国の残留性有機汚染物質(POPs)(以下、POPsという)調査プロジェクトの活動全体に対する検収を行った。それによって、企業1.5万社のダイオキシン類POPs排出施設2.5万ヵ所の基本状況が明らかになり、重慶、江蘇、吉林、広東の4省の流通分野における廃棄殺虫剤類POPsの状況を把握した。また、全国の殺虫剤類POPsを生産する企業および汚染場所に対する踏み込んだ調査と検査・測定を展開した。POPs全体の管理戦略のさらなる検討・策定を進め、 POPs重点監督・管理汚染源の選別原則と監督・管理メカニズムを構築した。全国の残留性有機汚染物質(POPs)更新調査活動の展開を手配した。省レベルのPOPs「第12次5ヵ年計画」汚染防止計画と全国の主要業種における残留性有機汚染物質(POPs)の省レベルPOPsの「第12次5ヵ年計画」汚染防止計画の策定活動を実施した。『ダイオキシンによる汚染防止の強化に関する指導意見』(草案)を策定した。環境保護部が関係部門と共に、DDT、クロルデン、 ミレックス、BHCの生産、流通、使用、輸出入を禁止する公告を公布し、2009年5月17日から、DDT、クロルデン、 ミレックス、BHCの生産、流通、使用、輸出入を全面的に禁止、または制限した。

重点企業のクリーナープロダクション審査

  2009年、環境保護部は全国の各省・直轄市の2008年における重点企業のクリーナープロダクション関連情報の統計、取りまとめ、分析活動の展開を組織し、『2008年度全国重点企業クリーナープロダクション審査状況通達』を編纂公布した。河北、遼寧、雲南、黒竜江などの省で、重点企業のクリーナープロダクション審査の評価および検収に関する試験活動の展開を組織し、『重点企業クリーナープロダクション審査評価検収技術細則』など、指導重点企業のクリーナープロダクションに対する審査、評価、検収を指導する上での関連技術管理文書の編纂を手配した。計49期の「国家クリーナープロダクション審査師研修クラス」を開き、総計約2600人に対して研修を行った。2期のクリーナープロダクション審査師上級研修クラスを組織、受講生は約60人に上った。12項目のクリーナープロダクション業界標準を公布した。

全国土壌汚染状況調査

  国務院の手配に基づき、2006年より、環境保護部は国土資源部と合同で、全国の土壌現状調査と汚染防止に関する特別活動を展開しており、現在、各地でデータの審査と分析が行われている。
  2009年末現在、 65637ヵ所の、土壌、農産物などの試料18万個の採集・分析試験活動が既に完了、470万余りの実測データと205万の野外試料採集箇所の環境情報データをデータベースにインプットし、1万部余りの地図を作成、累計延べ15000人余りに対して研修を行った。同プロジェクトの完了後は、全国範囲の土壌汚染の現状、汚染範囲、主要汚染物質、汚染の程度を把握することができ、土壌の環境管理に向けた基盤が固まる見通し。

全国環境保護特別行動

  2009年4~11月、環境保護部、国家発展・改革委員会、工業・信息(情報)化部、監察部、司法部、住房・城郷(=住宅・都市・農村)建設部、国家工商行政管理総局、安全監督・管理総局、国家電力監督管理委員会の9部門は、大衆の健康に危害を及ぼし、持続可能な発展に影響を及ぼす特に際去った環境問題をめぐり、全国で環境保護特別行動の展開を持続的に手配した。検査企業延べ98万社を検査、環境違法問題1万件余りを立件・調査、うち744社を閉鎖し、841社に生産停止した上で是正を図るよう命じ、810社に期限内に是正するよう命じた。全国の合計2587件の案件について、公示した上で監督管理を行い、各レベルの監察機関が法に従って119人の責任を追及し、工商部門が「両高一資(汚染度が高く、エネルギー消費量が多く、資源型の製品――訳注)」を扱う企業806社の営業許可を取り消した。飲用水水源保護区計3177ヵ所を検査し、一級保護区内の企業287社、直接的な汚水排出口220ヵ所、二級保護区内の企業444社を閉鎖し、違法な建設プロジェクト780件を除去した。既に運営を開始している都市部の汚水処理場1959ヵ所を検査した。それら汚水処理場の総設計処理能力は10441万㎥/日、実際の1日当たりの処理量は7831万㎥、平均の運転負荷率は75%に達し、84.7%の汚水処理場の水について、COD、アンモニア性窒素、総リンの排出基準の達成を実現した。1266社の鉄鋼企業(コークス、圧延企業を含まない)に対する集中検査を行い、合計で鉄高炉1576基、製鋼転炉、電気炉1714基を検査した。2009年に、各地で高炉120基(生産能力1026万t)、転炉および電気炉79基(生産能力533万t)がそれぞれ生産を停止した。焼結機計1312台を検査し、うち118台の焼結機が既に脱硫施設の設置を完了、現在116台の焼結機について、脱硫施設の建設を行っている。砒素を扱う企業1296社を検査し、法に従って304社の違法企業を取り締まった。うち36社を閉鎖処分とし、150社に期限内の是正、98社に生産を停止した上での是正をそれぞれ命じた。2009年下半期には、全国の砒素による汚染事件は顕著に減少した。検査重金属企業9123社を検査し、環境違法企業2183社を取り締まった。うち231社を閉鎖処分とし、641社に生産を停止した上で是正するよう命じた。

環境保護をめぐる国際協力

  2009年、環境保護をめぐる国際協力活動では大きな成果が得られ、対外関係の健全な発展の促進、環境保護をめぐる3つの歴史的転換の推進、環境権益の確保、環境利益の獲得、国外の先進技術、資金、管理経験の積極的な導入などの面で積極的な役割を発揮した。
  環境保護をめぐる国際協力は中国のトップレベルの政務活動の主たるライン、現場、舞台に引き続き組み込まれた。2009年、温家宝総理、李克強副総理など、党と国家の指導者自らが環境保護に関する重要な外交活動に相次いで14回出席した。環境保護部の指導者の外国訪問・国際会議への参加は7回に上り、国外の副大臣級以上の代表団の受け入れ回数は41回に達し、通年で、523団体・延べ1641人の出国を審査・許可し。環境保護部セクターの海外研修者は延べ391人、外国からの訪中団体の正式な招待・受け入れ回数は97回(延べ520人)に達した。
  2009年、中国環境・国際協力発展委員会2009年年次総会を成功裏に開催し、温家宝総理と李克強副総理が同会議でそれぞれ重要な指示を出した。二国間の環境協力が全面的に向上し、国の全体的な外交をめぐる手配の下で、米中戦略経済対話、米中合同商業貿易委員会(JCCT)、日中ハイレベル経済対話、中ロ首相定期会談委員会、中国カザフスタン協力委員会などのメカニズム下における環境協力に滞りなく参加した。地域協力がさらに発展し、中国-東南アジア諸国連合(ASEAN)環境保護協力センターを正式に設立するとともに、『中国-東南アジア諸国連合(ASEAN)環境保護協力戦略』を制定し、中国が中心となって、第11回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM11)を成功裏に開催し、アフリカおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)各国向けに、対外援助として、環境保護に関する研修を積極的に展開した。国際条約の交渉に効果的に対応し、『ストックホルム条約』、『モントリオール議定書』などの国際条約の交渉活動を積極的に組織し、高いレベルの交渉案を全面的に実現し、中国の環境権益の確保に成功した。多国間の環境協力を積極的に推進し、『環境保護部・国連環境計画(UNEP)了解覚書』に初めて署名し、初めて国連会議で大規模な展示を行い、「北京のグリーンオリンピックの展示」、「2008年北京オリンピック独立評価報告」の記者会見を成功裏に開催し、国連環境計画(UNEP)持続可能な資源管理に関する国際パネル第5回会議を積極的に引き受けるとともに、「中国グリーン経済」国際フォーラムを共催した。世界銀行、国連開発計画(UNDP)、アジア開発銀行などの国際組織と良好な関係を保ち、世界銀行による中国の4都市における「グリーン中国の呼び掛け」環境広報活動の展開に協力し、中国の大衆の環境意識の向上を強力に推進した。

国際環境条約の履行

  『使用済燃料管理の安全及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約』をめぐり、2009年、17の締約国の国別報告書が審議され、110の問題が提起された。12の締約国が中国の国別報告書に対して提起した96の質問に対し、真摯に分析し、回答を示した。中国政府代表団を率いて、第3回締約国検討会合に初めて出席し、国際原子力機関(IAEA)に対して、初めて中国の国別報告書を正式に提出した。
  『原子力安全条約』をめぐり、2009年9月28日~10月1日、環境保護部の代表がオーストリアウィーンで開催された『原子力安全条約』第5回検討会合の特別会議(組織会議)に出席した。討議を経て、規則の改正案と『原子力安全条約』第5回検討会合の準備に関する事項が採択され、環境保護部の李幹傑副部長が2011年『原子力安全条約』第5回検討会合の議長に当選した。環境保護部は『原子力安全条約』第5回国別報告の検討委員の改選を先頭に立って完了させ、『原子力安全条約』第5回国別報告検討小委員会第1回会議を招集、第5回『原子力安全条約』国別報告の編纂の枠組みと活動計画について討議を行うとともにそれを採択し、第5回『原子力安全条約』国家報告の編纂活動を開始した。
  『モントリオール議定書』、『ストックホルム条約』、『バーゼル条約』、『ロッテルダム条約』をめぐり、2009年、環境保護部はオランダの住宅・空間計画・環境省と共同で、中国・オランダ廃棄物越境移動管理短期研修を行い、日本の環境省と部局長レベルの第3回「日中廃棄物・リサイクル政策対話」と2回目の日中の廃棄物などの輸入管理制度について理解を深めるための部門間セミナーを実施し、EUを中心とした廃棄物の輸出入に係る自主的な情報交換ネットワーク(IMPEL/TFS)2009年年次総会、アジア地域有害廃棄物不法輸出入防止国際ネットワーク2009年シンポジウムに参加した。
  『生物多様性条約』をめぐり、『中国生物多様性保護戦略・行動計画』を制定し、 35の優先保護区域を確定し、今後の一時期 (2010~2030年)における中国の生物多様性保護をめぐる戦略構想、戦略方針、指導原則を提起し、短期、中期、長期の戦略目標・任務を制定し、保護優先分野、優先行動、優先項目、および関連活動の確実な実施に向けた保障措置を示した。2009年末現在、中国の6万種余りの生物(重複を含む)および数十万の遺伝資源について、目録を作成し、国家生物種資源データバンクプラットホームを構築した。既に16省(自治区、直轄市)で生物多様性評価のモデル活動が展開されており、豊富かつ正確な基礎データが得られ、全国生物多様性評価技術体系が初歩的に構築された。一連の『生物多様性条約』をめぐる交渉とその他の会議に参加した。

環境広報・啓発

  2009年、環境広報・啓発活動は環境保護センターを中心として、環境保護活動の大局のために誠心誠意奉仕し、思考の開拓を図り、活動に励み、環境保護活動の順調な推進に向けて、良好な世論の雰囲気を生み出した。
  環境保護部は中国共産党中央委員会宣伝部、教育部と共に、『新たな情勢下における環境広報・啓発活動の確実な実施に関する意見』を発し、政府が主導し、各方面が協力し、滞りなく事が進み、活力に満ち、成果に富んだ環境広報・啓発活動という大きな構造の構築に力を入れるとともに、新たな情勢下における環境保護をめぐる広報・啓発活動の目標、任務、保障措置などについて、全面的な手配を行い、上下の思想・認識の統一を図り、活動の方向性を明確にした。
  マスコミの広報活動について、各種ニュース報道資源を十分に利用し、テレビ、新聞、ネットワークなどのメディアをめぐり、統一的な計画・手配、調整を図り、シリーズ報道「河川・湖を休ませる」を念入りに手配し、「マンガンデルタ」環境総合整備の成果について、深く掘り下げた報道を行い、国際湖沼環境委員会(ILEC)など51回の重要会議活動51回、35回の部内の重要会議活動、44回の対外活動の報道を綿密に手配し、メディアと社会が広く関心を寄せる問題をめぐり、自発的にニュースリリースを発表するとともに、利用重要な広報の場を積極的に利用して、特定のテーマ別の記者会見を組織し、環境保護事業の発展推進に向けて、強力な世論の支持をもたらした。概算統計によると、16の中央の主要メディアで環境保護に関する原稿855本(回)掲載または放送した。うち、人民日報は89本、新華社は162本、CCTVは192本(回)となっている。
  6月5日の世界環境デーの広報活動を順序立てて行い、 6月5日世界環境デー記念・青年1000人環境友好使者キックオフ式、「環境保護の新たな道の模索—6月5日世界環境デー特別フォーラム」など一連の活動を実施した。建国60周年を迎えるに当たり、展示準備任務などを滞りなく完了した。

全国の特大、重大環境汚染事件の発生状況

  2009年、環境保護部は突発的な環境事件171件の通報を受けるとともに、それらを適切に処理した。件数は前年に比べて26.7%増加、うち特に重大な突発的な環境事件は2件、重大な突発的な環境事件は2件、比較的大きい突発的な環境事件は41件、一般の突発的な環境事件は126件だった。
  事件の原因に基づいて分類すると、安全生産事故によるものは63件に上り、総数の36.84%を占め、前年に比べて6件増加した。交通事故によるものは52件で、総数の30.41%を占め、前年に比べて27件増加した。企業の汚染物質の排出によるものは23件で、総数の13.45%を占め、前年並みだった。その他の要素による環境事件は33件で、総数の19.30%を占め、前年に比べて3件増えた。
  環境汚染の類型に基づいて分類すると、水質汚染事件80件、大気汚染事件61件、固体廃棄物汚染事件3件、土壌汚染事件16件、海洋汚染事件2件、その他の類型の環境汚染事件9件となっている。

環境状況の市民満足度調査

  市民の中国の環境状況と環境状況の変化傾向に対する直接的な感覚を理解するため、2009年、環境保護部は全国範囲で、「環境状況に対する市民満足度調査」を手配した。
  今回で環境科学、心理学、社会学、統計学などの分野の専門家の意見と過去の環境分野に関する市民調査の研究成果を調査、総括し、専門家による研究討論、アンケートの設計、データの入力、システムの設計、試験的な調査、本調査、分析などの主な段階を経て、香港・マカオ・台湾、新彊を除く30省(自治区、直轄市)で、40校余りの大学で500人近い大学生ボランティアを動員し、6000人近い都市と農村の住民に対してアンケート調査を展開した。
  今回の調査で、55.6%の市民が現在の環境状況に対して、「満足」または「比較的満足」と答えた。市民の都市と農村の環境状況に対する満足度が最も高かったのはいずれも飲用水の質で、最も低かったのはそれぞれ環境騒音、ごみ処理だった。農村のアンケート回答者の環境状況に対する満足度は普遍的に都市を下回っており、とりわけごみ処理と飲用水の質で目立った。東北地域の回答者の環境状況に対する満足度評価が最も高く、華北地域の回答者の環境状況に対する満足度評価が最も低かった。
  環境状況の改善に対する満足度については、都市の回答者の65.8%と農村の回答者の57.9%が「満足」または「比較的満足」と答えた。東北地域の回答者による環境の全体状況の改善に対する満足度が最も高く、西南地域がそれに次いだ。華北地域の回答者による環境状況の改善に対する満足度は最も低かった。
  今回の調査ではオープンな方式による質問も行い、741の有効回答が得られた。これらオープン方式による質問に対する分析を通じて、市民の意見と提案は主に、経済・社会の発展を推進すると同時に、環境保護によりいっそう関心を寄せる必要がある、環境質の状況に対するモニタリングと監督をさらに強化しなければならない、環境管理の度合いをさらに強化しなければならない、といったいくつかの面に集中していることがわかった。